2012年1月18日水曜日

PFドラッカー365の金言より 158

<< 本文 >>  「明日ほ支配するもの」
変革が常態となったからには継続性の基盤を堅固にしなければならない。
使命、価値、成果の定義など組織の基本にかかわることについては、継続性が不可欠である。変革と継続の両立を報酬、認知、褒賞のシステムに組み込まなければならない。継続に報いなければならない。もっぱら継続的な改善を行なう者も、変革を行なうイノベーターと同じように、認知と褒賞に値する者として評価しなければならない。
変革と継続の両立には、情報への不断の取り組みが必要である。情報の不足、信頼性の欠如ほど、継続性を損ない関係を傷つけるものはない。従って、あらゆる組織が、あらゆる変化について誰に知らせるかを考えなければならない。このことは、協力して働く者がIT機器を利用して別々の場所で働く時代にあっては、特に重要である。

(コメント)
このせいか、最近は中堅企業から従業員の処遇制度(昇給、賞与、昇格、福利厚生ほか)を再検討したいというご相談が増えています。これらの企業は、ここ数年で従業員の不祥事が続けて発生し、それを通じて従業員の価値観が変化し始めていることを理解することを通じて、自社の考え方の一部が時代にそぐわなくなり始めていることに気づかれたので、従業員の処遇制度(特に評価制度)の洗い直しを始められたのです。
そして、今のように変化が継続的に起こっている時代にあっては、大きな変革をもたらす者だけではなく、日々少しずつ改善を続けている目立たないが縁の下の力持ちとなっている人達を正しく評価することを忘れないようにしなければなりません。大きな変革は話題にもなるし目にも止まりますが、日々少しずつの改善は見過ごされ易く評価され難いものです。
そのことに気づかれた会社が人事評価制度あるいは従業員の処遇の洗い直しを始められたのです。
逆の事例ですが、労働紛争のご相談を頂いたときに共通して言えることは、馬鹿な人は一時に大きな悪事を働きますが、賢い人は会社側が「些細なこと」「そんなことなら・・・」と考えるような些細な改悪を少しずつ行い、会社が気付いたときには既に慣習化し既得権化してしまっている場合が多いようです。人間は少しずつの変化には鈍いものです。
ブレイクスルー思考法では「ゆでガエル」と「フライパン・ガエル」とを例にします。常温の水の中にカエルを入れて下から徐々に熱するとカエルが気づかず(変温動物のため)、逃げ出そうともせずに最後には「ゆでガエル」となり死んでいるそうです。それに対して、熱したフライパンの上にカエルを落とすと飛び跳ねて熱さから逃げ出そうとするそうです。これと一緒で人間は日々の少しずつの変化には疎いし、直に慣れてしまう習性をもっていますから注意することが大切です。
そのため、徐々に悪くしつつある人には大事に至る前に早めに警告・注意し、徐々に良くしている人にはそれを褒め認めることが必要となります。
そして、先生のご指摘の後半部分は特に大切です。以上の対応が適切に出来るようになる為には、「適切な情報を的確に伝えること」と「相互の信頼関係」が不可欠であるということです。信頼関係がなければ情報の伝達はあり得ません(音の伝達があるだけ)し、信頼関係を構築するためには普段からの的確・適切な情報の伝達が必要不可欠となります。俗にいう報告・連絡・相談以外に、相互のコミュニケーション(特に下の意見を訊く姿勢)が必要であると考えます。

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