2012年1月26日木曜日

PFドラッカー365の金言より 166

<< 本文 >>  「産業人の未来」
我々はすでに、経済発展が最高の目的であるとする信条を捨てた。経済的な成果を最高の価値にすることはやめ、数多くの価値の一つにすぎないことは、つまるところ、経済活動をあらゆる社会活動の基盤として扱うことを止めるということである。経済的な領域を社会の中心的な領域とすることを止めるということは、更に大きな意味をもつ。それは、人はみな経済人(エコノミック・マン)であり、行動の動機は経済的であり、自己実現は経済的な成功と報償によって測られるという信条を捨てることを意味する。
われわれは、人間の本質および社会の目的についての新しい理念を基盤として、じゆうで機能する社会をつくりあげなければならない。従って、我々は社会についての理念を見つけなければならない。
その為、マネジャーは全員が全力をつくして貢献することができる目標を示すことが必要である。

(コメント)
私は「顧客満足は従業員の満足から始まる」と考え、数年前からGPTW(Great Place to Work)による「働きがい」の定義を参考にアンケート用紙をつくり、給与体系を変更した後には従業員さんからのアンケートを募るようにしています。
私の考えとしては、労働条件(給与、労働時間、休日等)は従業員の「やりがい・満足度」を得る基礎となるもので、労働条件は従業員の期待値を下回ると不満の源となるが、逆にそれらが高いだけでは決して従業員のやりがい・満足度が高くすることは出来ない衛生要因のようなものであり、家を建てるときの基礎工事(土台)にあたるものだと考えています。そして、従業員のやりがい・満足度を得ようとすると、その土台のうえに「上司・経営陣との信頼関係」「仕事への誇り」「同僚との人間関係」という柱を立てることが必要であると考えてアンケート用紙を作成しています。
やり始めた頃は「何を無駄なことをしているのか?」と煙たがられましたが、最近では「ありがとう。良い参考になる」と言われるようになりました。明らかに、「給与は多い方が良い」「会社は規模が大きい方が良い」という価値観が変わり始めている証だと思います。その典型が、昇進させようとすると「管理職になると責任が重くなるから今のままの方が良い」と昇進を拒否する若人が現れていることではないでしょうか? 明らかに従業員の価値観が変化し過去の成長第一主義の価値観が通用しなくなりつつあります。
その状況下において、会社が肥満ではなく内実を伴った成長をするためには、会社の目的・理念が従業員さん達と共有され、目標が明確になっていることが必要不可欠であると考えます。

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