2012年4月12日木曜日

PFドラッカー365の金言より 242

<< 本文 >>  「ネクスト・ソサエティ」
知識労働者にとっても報酬は大事である。報酬の不満は意欲をそぐ。しかし、意欲の源泉は別のところにある。
知識労働者にとって重要なことは、
①組織が何をしようとしており、どこへ行こうとしているかである。
②責任を与えられ、かつ自己実現することである。そのためには適した仕事に配置されることである。
③継続学習と継続訓練の機会を持つことである。
④敬意を払われることである。特に、自らの専門分野が敬意を払われることである。
⑤その専門分野では自らが決定を行うことである。

(コメント)
現代の従業員の大半が知識労働者であることを考えると、この先生の指摘は、経営者の「発想の転換」が必要であるということです。やり方や方法だけではなく、従業員に対する考え方や接し方、あるいは権限移譲・職掌に関しても考え方を改めざるを得ません。そこでは、従業員との関係を上下関係で捉えるのではなく、パートナーとしての関係で捉えることが必要になります。リーダーが「教えて導く」という考え方から、「共に働き、共に学び、共に進むべき道を見出していく」という関係をつくりあげていくことが必要となります。その結果、マネジメント、リーダーとしての役割が大きく変わることが必要となります。
昨日、ある人から電話で「工場の生産性をあげるための方法」を問われました。その人は「インセンティブを設けること」を検討されていましたが、私は「インセンティブだけに頼って生産性を上げようとする方法は馬の目の前にニンジンをぶら下げて早く走らせようとするようなものです。その対策だけでは、いずれ息切れしてしまいます。作業を標準化したり計画化すること、目標を設定すること等も必要なのですが、一番大切なことは経営参画意識を従業員に浸透させて良い社風をつくりあげることです」とお話ししました。その人とお話しをしていると、古典的経営学にでてくるテイラーによる生産効率化のお話しをお聴きしているようでした。

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