2011年8月31日水曜日

PFドラッカー365の金言より 18

事業は全て、「資金の配分」と「人材の配置」によって具体化される。この2つの資源が優れた業績をあげるか、貧弱な業績しかあげられないかを左右する。
(1)「資金」については
    ①投資収益率
    ②回収期間
    ③キャッシュフロー
    ④現在価値
  の4つの視点から見なければならない。
  そのうえで、機会(チャンス)とリスクの関係が最も有利なものを選ぶ。
  もちろん、投資の結果は、当初の期待にフィードバックさせる必要がある。
(2)人材の配置については、採用、解雇、昇進の決定が重要である。資金の投入よりも難しい。
  もちろん、ここでも結果を当初の期待にフィードバックさせなければならない。

(コメント)
「お金の使い方」と「人材の配置の仕方」が違うと、同業種の他企業とは違う結果をもたらします。
お金の使い方は
①投資収益率・・・儲けの率
②回収期間・・・・・投資資金を回収できるまで必要とされる期間の長さ
③キャッシュフロー・・・日々の活動により得られる現金(入出金)の量
④現在価値・・・・・将来生み出される儲け(価値)を現在の価値に計算し直したもの
の4点から妥当性を検討する必要があります。
ただし、この4点のどれを重視するかは企業の置かれている状況によって異なります。例えば、創業まもないベンチャー企業や倒産しそうな企業では、①投資収益率や④現在価値よりも③キャッシュフローと②回収期間を重視する必要があります。
そして、投資した結果を、投資する前に自分達が期待していた内容と比較し、期待通りであったものとそうでなかったものとを峻別し、自分達の能力と現実との乖離を認識して自己能力を向上させるようにすることが必要です。
人材に関しては
①採用
②解雇(懲戒処分を含む)・・・どんな理由で解雇(懲戒)するのか
③昇進(昇給を含む)・・・・・・・だれを昇進(昇給)させるのか===特に部長職への昇進は重要です。
が重要であり、またこれも自分達の当初の期待と結果とを照合(フィードバック)することで、人選の妥当性を検討し、自分達の労務管理能力向上を目指すことが必要です。




2011年8月30日火曜日

PFドラッカー365の金言より 17

常に一流であるために、仕事の水準を高く設定してください。最高の仕事ぶりは、自らの組織内に、または競争相手に、あるいは別の産業に見つけことができます。誰かにできることは他の者にもできるというものです。
自らの競争力を知るには、ベチマーキングの手法が必要である。

(コメント)
一流でないものが淘汰される競争の時代となりました。常に一流を目指し改善・努力することが必要な時代です。
大昔に倒産しかけたトヨタ自動車は、仕事の水準(期待する水準)を「並み」より高く設定することで世界有数の企業にまで成長しました。韓国サムソンも、日本のソニーやパナソニックから日本的経営や技術を学ぶことで世界有数の企業に成長したそうです。
日本人は「他人のやっていることをパクルと表現して、卑下する傾向」が強くあります。しかし、『「学ぶ」とは「マネブ」ということであり、真似ることから始まる』と言われるように、自分(自社)より上位のものを真似ることは非常に大切なことです。自分達だけで考えるのでは思いつかなかったようなことを、他社が行っていれば(法律違反にならない限り)、それを真似れば、自分達が成長できるチャンスはより広くかつ早くなります。
そして、その為には、漠然と参考になる人や企業を探すのではなく、当面の目標とする人や企業を具体的に明確にする(ベンチマーキングする)ことが大切です。
そうして、その人(企業)を時系列で観察していけば、その人(企業)の「変化」にも気づけるようになります。
そして、そのことを通じて、自らの水準(競争力)を知ることができます。これがなければ、自らが考えている自らの競争力は、単なる「自らの思い込み」に過ぎなくなってしまいます。
その意味では、弊害があると言われる「評価制度のコンピテンシー理論」も有益です。

2011年8月29日月曜日

PFドラッカー365の金言より 16

コスト主導型で価格設定を行うか、価格主導型でコスト管理を行うか?
問題なのは技術ではなく「ものの考え方」である。顧客価値の創造と価格主導型のコスト管理に努めることが大事である。

(コメント)
顧客が価値あると思う価格でモノやサービスを提供することが大切であると言われ続けて久しいものがあります。しかし、実務では得てして「このモノ(サービス)を製造(提供)するには幾らのコストがかかっているから、販売価格はこうせざるを得ない」と考えている場合は多いものです。
最近ある顧問先が、競合企業から工事入札で競争を挑まれ、泥仕合となりました。当初の見積もりで見積もった工事原価を遥かに下回る価格でどうにか落札できたものの、当初計画のまま工事を施工すると大赤字となってしまいます。そこで、この顧問先は、受注価格に見合うようなコストに抑えるため、部品仕入れメーカーと交渉したり、工賃を圧縮できる工事方法を一生懸命に考えながら施工されています。そして、この工事では収支トントンに収めることを目標として、この顧客から他の注文を取れるように営業強化をされています。
泥仕合となった入札工事は事例として如何なものかとも思いますが、「飽食の時代」となり顧客の選択枝が増えた昨今では、顧客の希望価格に合わせてモノやサービスの製造(提供)方法を考えることが必要な時代となったようです。
例えば、紳士スーツが1万円で常時販売される時代となったからには、1万円でスーツが販売できる方法を考え実行することが必要な時代なのではないでしょうか?
ただし、1万円のスーツを主力として販売していると、そのような客しかこない店になり、30万円のスーツを主力として販売していると、そのような客が来る店になる点には注意する必要があります。そのため、コモディティ(一般消費財)を販売する場合には、「顧客(ターゲット)を明確に」することが大切な時代となったようです。1万円のスーツも30万円のスーツも欲張って売っていると、両方の客が来ない店となってしまいます。
「顧客を明確にして」「自社の特徴を打ち出し」「他社との差別化を図ること」が必要になっています。
昔しあったような「うどん」も「ラーメン」も「寿司」も「焼肉」も食べられる「更科屋さん」には客は食べに行かず、それぞれに特徴をもたせた専門店で客は食べる時代となっています。

2011年8月27日土曜日

PFドラッカー365の金言より 15

すでに起こった変化の中で、いままでの常識に合わないと自分が思うものを探してください。それらの変化を事業上のチャンスとして利用することを考えてください。

(コメント)
自分が「これは今までにない例外的な客だ」「面倒くさいことを言う客だ」と思ってしまうような客の中に、新しい消費の動向を教えてくれている客がいます。
自分のいままでの常識では腑に落ちないことを見過ごさずに、再検討して、その中から新しい潮流を見つけ出すことが大切です。「仮説→検証→実行」のサイクルの前に、まずは変化に気づくことが必要です。

PFドラッカー365の金言より 14

情報化によって組織の活性化と効率化を図ってください。ミドル(中間管理職)を減量して、組織構造を平板(フラット)にしてください。
ミドルに昇進させるか否か判断をするときには、「より挑戦的な仕事にふさわしいか」「厳しい責任を加えるにふさわしいか」を検討してください。

(コメント)
情報が多数の人を経て伝えられるとき、その人数が多い程(多段階である程)、情報が歪曲される(してしまう)可能性が高くなります。丁度、「伝言ゲーム」のようなものです。
片や、変化と競争が激しい経済環境下では、俊敏・機敏に行動する企業が求められます。進化論でも「強いモノが生き延びるのではなく、変化に対応できるモノが生き延びる」と言われています。企業が生き延びるだめには、企業が変化適応業であることが必要です。
そのためには、
①全体を見通した判断(鳥瞰した判断)が行われるために、情報が素早く伝達される仕組みを創ること
②現場が自立した行動をとるために、情報が共有される仕組みをつくること
③中間管理職(ミドル)は必要最低限の人数にして、変化に対応するために「挑戦的な仕事に責任をもって挑むミドル」を就任させること(=ミドルとは地位ではなく役割であること)
が必要です。
しかし、中小企業の実態は、ミドルが「永年の功労に報いるための地位」と考えられている場合が多いようなので再考を要します。また貢献(特に業績)にはその都度の賞与で報いるべきであり、地位や昇給で報いていると役に立たない組織ができあがってしまいます。

2011年8月26日金曜日

PFドラッカー365の金言より 13

現業(現場)の実績がなければ信頼を得られず理論家として片づけられる。そうならない為には、スタッフ部門と現業部門の間で人事異動を行ってください。現業の経験がなければ、スタッフが現業に対して傲慢になってしまいます。スタッフの仕事を一生の仕事にさせてはなりません。一時の仕事としなければなりません。

(コメント)
私のお客さんの中に、財務畑しか経験していない人が社長になった会社があります。この人には現場の経験が一度もありません。この社長の言うことを一つひとつ検討すると、どれも理論的には正しいのですが、中長期で言われていることを全体として捉えると、この会社での実現性は乏しい内容(この会社の実情を考えると無理)となってしまっています。その結果、この社長が言うことを実行しようとする社員はいません。結果として、各社員ともに頑張っているのですが、会社全体ではバラバラの方向で頑張っている為、中々、会社全体の成果が上がらない状態に陥っています。
この社長さんが財務スタッフとして社長に意見を述べる立場に留まっているのならば現場経験が無くても良かったのでしょうが、社長という全権を持つ地位に就くためには、現場に入り込んで現場体験をする必要があったようです。しかし、社長になった今からでも遅くはないのです。社長室で社長業だけをするのではなく、自ら時間を創り出して、現場に入り込んで現場の従業員さん達と話しをし、観察し、自分で体感(五感で感じ取る)すれば良いのです。
これは私のような社会保険労務士の仕事に関しても言えることです。法律を「知って」いる、手続きを「知って」いるだけで、自ら体験したことが無い社会保険労務士は会社から相手にされません。知識に経験を加えて知恵とし、その知恵を使った仕事をしなければ実社会では役に立たないのです。ですから、私は若い社労士さんに「最初のうちはお客さんにお金を支払ってでも経験させて貰うつもり位で仕事をしなければ、いつまで経っても顧客開拓はできませんヨ」と話ししています。
スタッフとして仕事をされていらっしゃる方々は、できるだけ時間を創り出して、現場に行くことが必要です。因みに、ある土木建築の会社の総務の人には毎月安全衛生指導を目的に工事現場を訪問して現場の人達と話しをするように指導しています。

2011年8月25日木曜日

PFドラッカー365の金言より 12

スタッフ部門(間接部門)の仕事の目的は1つだけ。現業に貢献し、組織全体の業績に貢献することである。スタッフ部門はできるだけ小規模にすべきである。
スタッフ部門の効率化を図り、生産性を高めるためには、「具体的な目標」と「期限」を定めてください。それらの目標を組織全体の目標とリンクさせてください。

(コメント)
①スタッフ部門の肥大化はスタッフ部門自身の効率を損なう。しかも、現業部門の効率をも損なう。
②スタッフ部門は長期的な課題に集中して取り組まなければならない。短期的な課題は、臨時の仕事として処理すべきである。
③スタッフ部門の目標が「従業員の行動について手がかりを掴む」とか「顧客の購買動機を研究する」などの漠然とした目標ではスタッフ部門の生産性はあげられない。具体的な目標と期限が必ず必要である。
④トップは3年に一度はスタッフ部門の責任者と話し合い、過去3年間においてスタッフ部門が会社全体の業績向上にいかなる貢献をしたかを聞かなければならない。
尚、当然のことですが、毎日同じようなルーティーン・ワークだけを行っているスタッフ部門は仕事をしているとは言えません。作業を繰り返しているだけです。スタッフ部門の人々は、定例作業は計画化し、時間を捻出して本来の仕事をするようにし、現業と会社全体の業績改善に貢献するようにしなければなりません。もしそれが出来ないのであれば、その作業は外注してスタッフ部門(間接部門)を縮小すべきです。

2011年8月24日水曜日

PFドラッカー365の金言より 11

コミュニケーションを成立させるものは受け手である。
従って、まず「聞く(聴く、訊く)」ことによってコミュニケーションを始めることが必要である。

コミュニケーションは聞く者がいなければ成立しない。無意味な音波でしかない。そのため、コミュニケーションを成立させるためには次の4つのことに注意しなければならない。
①ヒトは自分が知覚できるものしか知覚しない。その為、受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。
②ヒトは期待しているものだけを知覚する。
③コミュニケーションは、それが受け手の価値観、欲求、目的に合致しないとき、全く受け付けられないか抵抗される。
④情報は論理の対象である。形式であって意味はない。記号である。受け手が記号の意味を知らなければ、情報は使われるどころか受け取られることもない。情報が受け取られるには、予めの了解、すなわちコミュニケーションが存在しなければならない。


(コメント)
小学校低学年の子供を想定してください。子供と大人とでは伸長が違い目の高さが違うので、同じ場所にたっても見えるものは違います。同じように、子供と大人では関心のあること、気にかかっていること、その優先順位のつけかた等が違います。
①は、親が子供とコミュニケーション(命令ではない)しようとするときには、子供の視線に合わせて、子供に理解できる言葉を使わなければならない、ということです。
②は、①を行っても、子供は自分にとって都合の良いこと、自分が期待していたことだけを理解します。大人には見えるけど子供に見えないこと、またその逆もあります。経験も違います。その結果、期待すること、関心をもつことに差がでます。だから、まず最初は「なぜ私の言うことを聞く必要があるのか」を認識させることが必要となります。
③子供の価値観、欲求、目的に合致しないことを親がコミュニケーションして伝えようとしても、子供は心理的に抵抗を示します。
④そして、普段からコミュニケーションしていない親戚の子供にお話しをしようとしても中々思うようには伝わらないということです。
最近では実社会でも、高等教育を受けた頭脳優秀な人材だけれど精神的に未熟な(子供と同じ)ヒトが増えています。そのようなヒトが片手間に法律を聞きかじり、自分の権利を主張(精神的に子供だから義務は考えないことが多い)する場合が非常に増えています。
このような状況下で相手との紛争を避けるためには、自分の思い込みを前提にして話しを始めるのではなく、まず相手の話しを聞く(聴く、に訊く)ことからコミュニケーション始めることが大切です。
そして、コミュニケーションの成果を得るためには、コミュニケーションが終わるときに相手がどのように理解したかを確認する(復唱)ことが必要です。
古い格言でも「力で相手を押さえつけようとするよりも、時間を味方につけて解決しようとする方が有効である」というのがあります。

2011年8月23日火曜日

PFドラッカー365の金言より 10

疑似分権制は(独立した)事業でもないものを事業であるかのように組織する。
分権化した組織単位に自立性を与え、自立したマネジメントをもたせ、少なくとも疑似的な損益について責任をもたせる。各組織単位は、便宜上決めた価格によって互いに取引する。あるいはコストに2割の科金を課すことによって疑似利益を計上する。
あらゆる部門に収益性をもたせ、競争させることが大切である。


(コメント)
コレって京セラの稲盛さまが唱える「アメーバー経営」の原点ですよネ!! しかし、大企業や中堅企業なら兎も角、一人のひとがアレもコレもしなければならない中小・零細企業では無理です。中小・零細企業が大企業の真似をしても上手くいきません。しかしながら、中小・零細企業こそ、一人ひとりの従業員に収益意識を持たせ、各々に良い意味での競争をしてもらうことが必要です。そして、これは中小・零細企業で人数が少ないからこそ可能なことです。京セラも昔しは小さな町工場にしか過ぎなかったのですから・・・・・!!

2011年8月22日月曜日

PFドラッカー365の金言より 9

幹部候補生を早いうちに識別し育成する最良の方法は、権限を委譲し、分権制により最大限の責任を与えることである。
各部署に与えられるのは「自立性」であり、「独立性」ではない。
各部署は全体に対して「利益」を貢献しなければならない。自立している訳であるから、全体の利益に貢献するのではなく、全体に対して利益を貢献するのである。


(コメント)
まだ若いから無理で「あろう」と考えて、実際に権限を委譲し自分でやらせてみなければ、いつまでたっても幹部候補生を育成することはできません。どんなに教えても、実践した経験がなければ耳学問で終わってしまいます。
そして、この時に注意しなければならないことは、自立させることが必要なのであり、独立させることではないということです。幹部になると「自分で考え、自分で指揮・行動することが必要」となりますが、それが組織全体から浮いて(協働できない状態)しまっていては組織全体の成果に結びつかなくなってしまいます。そのため、自立していることが必要ですが、独立していてはいけないのです。その為に、権限委譲をすると、それまで以上にコミュニケーションが大切になります。
そして更に、全体の利益に貢献するという漠然とした考えではなく、自らの責任において利益を生み出し、その利益で全体に貢献するという考え方が必要となります。この考え方を教育しなければ、「他力本願」「できなかった理由探し」をする人材となってしまいます。
ただし、権限委譲する前提条件として、相互の信頼関係は必要不可欠なものです。当然のこととして、信頼できない者が優秀な能力を持っていたとしても将来の幹部候補生にすることは無いと思います。そのような人は幹部ではなく専門職とすべきです。

2011年8月21日日曜日

PFドラッカー365の金言より 8

組織は道具である。専門分化することによって自らの目的遂行能力を高める。
組織は一つの目的に集中するがゆえに成果をあげる。多角化は、組織として成果をあげる能力を破壊する。
明確で焦点の定まった共通の目的だけが、組織としての一体性を保ち、成果をあげさせる。


(コメント)
数年前から「選択と集中」の必要性が説かれていますが、ドラッカー先生は自らの経験を元にその遥か前から説かれていました。
よく中小・零細企業では「企業目的は儲けることヨ!!」と放言し、真の企業目的を考えようとされていません。しかし、「儲けること(利益をあげること)」は企業目的ではなく、企業が存続するための必要条件にしか過ぎません。企業目的を不明確なまま放置したり、社内で徹底していないと、雪印・赤福・吉丁等のような事件が発生してしまいます。また、各自が一生懸命に梯子を登ったが、達成すべき目的が達成されなかったということにもなりかねません。
「誰に(どんな顧客に)貢献するのか<誰に>」「何をして顧客に貢献するのか<何を>」「モノ(サービス)をどのように提供するのか<どのように>」を明確にした目的を持ち、その上で社内分権化(専門分化)を進め、自立した組織作りが必要となります。
そして、ビジネスは商機との競争ですから、市場(顧客)の変化を見定め、「いま」「何に」「どのように」集中して取り組むことが最も「効果的か」を考える(最も「効率的」と考えるのではない)ことが必要です。
一昔前までは色々なものが揃っている小売店が良い小売店(百貨店や量販店)と考えられていましたが、いまは何でも揃っている店には何も自分の欲しいものが無いと考えられるようになっています。これはモノが豊富になり、競争が激化した結果です。セブンイレブンのように絞り込まれた品揃えだが時間(便利さ)を売る店、専門店のように限られた分野を深耕した品揃えを提供する店が求められています。これは丁度、昔はうどんもラーメンも天ぷらも売っていた飲食店「更科」が今では無くなり、ぞれぞれに特化し特徴をもたせた店が生き延びている現況が物語っています。貴社の現状はどうでしょうか?特に歴史のある古い会社ほど注意が必要です。あれやこれや顧客の変化に振り回されて総合化してしまい、「自社は〇〇で顧客(社会)に貢献する会社」が不明確になった結果、非効果的(非効率ではない)な活動を繰り返していませんか?
ただし、新しいものに取り組むときはテストが必要です(仮説をたてて検証すること)。そのため、テスト中は分散しているようにも見受けられますが、違いはその時点での主とするものが明確であるという点です。テスト(検証)が終わり実行する段階になると、全体を再度確認して廃止すべきものは廃止して(計画的廃棄)、新しいものに集中することが必要となります。

2011年8月20日土曜日

PFドラッカー365の金言より 7

組織構造にはいくつかの守るべき原則がある。
①組織は透明でなければならない。自ら働く組織構造を知り、理解できなければならない。
②最終的な決定権を持つ者が明確でなければならない。
③権限には責任が伴わなければならない。
④誰にとっても上司は一人でなければならない。


(コメント)
これはよく見かける、注意すべき点です。
①組織構造と実態構造が違うことがよくあります。また組織構造が複雑すぎて理解できない場合もあります。
②合議制で決める結果、誰が決定したのか不明確である場合がよくあります。
③権限は持ちたがるが責任をとろうとしない場合もよくあります。高い給与は貰うが、権限を行使せず、責任もとろうとしない場合もあります。
④複数の上司がいる場合もよくあります。病院の看護婦さんに指示を出す人は医師と上司とがいます。またプロジェクトでは、プロジェクトリーダーと通常の上司とがいます。
これらのことを明確にしない結果、組織が混乱し、組織として機能していない例が本当に多いのが実情です。
組織の原則はきわめて簡単で『Simple is Best』です。そして規模が大きくなる程、「複雑なことは間違っている」と考えた方が正しいようです。
マネジメントには「こうすれば良い(保障)」という方程式は無いけれども、「こうしてはいけない(禁止)」という定理はあります。

2011年8月19日金曜日

PFドラッカー365の金言より 6

正しい方向づけを行うだけでなく、間違った方向づけをなくさなければならない。
そのために、部下と上司の相互理解が必要となる。相互理解は、下へのコミュニケーションによって得られるものではないし、下に向けて話すことによって得られるものでもない。それは上へのコミュニケーションによって得られる。上司の耳を傾ける姿勢と、部下の声が伝わる仕組みを必要てする。
そのために、年二回は上司と部下が改めて話し合うことが必要となる。


(コメント)
毎日顔を会わせていると、互いに理解している「つもり」になってしまいます。この予期せぬ誤解を防ぐためには、最低でも年2回は改めて話し合うことが必要です。そして、このとき大切なことは、上司は聴手であり、部下は話手であるということです。酒の場では期待できません。できれば部下は予め次のことを書き出しておくと良いとPFドラッカーは言っています。
①上司が目標とすべきもの
②部下自らが目標とすべきもの
③部下自らが期待されていると思う水準
④目標を達成するために部下が行うべきこと
⑤④の障害となっていること
⑥組織と上司が行っていることのうち、部下の助けになっていること
⑦組織と上司が行っていることのうち、部下の妨げになっていること
⑧部下自らの目標達成のために、次の1年間に部下が行うべきこと
これらを部下が予め書き出しておき、上司に提案すると良いと言っています。

PFドラッカー365の金言より 5

目標が意図の表明にすぎないのであれば価値はない。目標は仕事に具体化しなければならない。
仕事には具体的な成果、期限、担当が必要である。
しかし、目標は絶対的なものではなく(拘束衣にしてはならない)、方向を示すものであると理解し、状況の変化に合わせて目標を変更することも必要となる。(航空会社の飛行計画のようもの)
また、目標は、命令されるものではなく、未来をつくるために資源とエネルギーを動員するためのものである。(自己管理するために用いるもの)


(コメント)
色々な企業で目標を拝見させて頂き、一番多いのは中身が無く決意表明にすぎない目標です。酷いものになると目標数字しか無い場合もあります。これでは、目標は方向性さえ示していないことになり、経営資源の無駄遣いが生じてしまいます。
目標は、「誰が」「いつまでに」「何を使って」「どうやって」が明確になっている必要があります。
そして、目標を決めたならば、メルクマール(どの指標を成功の目安とするか)と中間チェック地点を定め、進行状態を途中管理することが要となります。
ただし、目標が正しく設定されたとしても、その前提となる目的が正しくなければ、頑張っても成果は報われません(頑張って目標を到達するために梯子を登ってみたら、本当はその梯子は隣の屋根に掛けるべきであったという事態になります)。そのため企業の目的である「誰に(顧客は誰か)」「何を(顧客が価値ありとするものは何か)」「どのように」が明確になり共有されていることが必要です。
さて、8月も後半に入りますが、今年の年初方針、年初計画を見直す必要がある時期ではないですか?何故なら、今年は3月11日に予期せぬ大震災が発生し、その後の経済環境が大幅に変わったのですから、「年初計画通り順調です」と応える方が可笑しいのではないでしょうか?

2011年8月17日水曜日

PFドラッカー365の金言より

マネジメントには基本的な仕事が5つある。
目標を設定する。・・・目標領域を決め、到達地点を決める。連携する人々とコミュニケーションすることで、その目標を意味あるものとする。
組織する。・・・・・・・・・仕事を分類し、分類した仕事を活動に分割し作業に分割したうえで、活動と作業を組織構造にまとめ、マネジメントすべき者を選ぶ。
チームをつくる。・・・・コミュニケーションを図り、動機づけをする。
評価する。・・・・・・・・・評価する尺度を定める。
⑤自らも含めて人財を育成する。
目標と自己管理によるマネジメントは、支配を自己管理に代える

(コメント)
個人商店から企業組織へと変容しようとするときに意識しなければならない事柄ではないでしょうか?
だから30人~100人規模の会社(業種による)は悩むことが多いようです。
ある格言:『三流の経営者はカネを残す、二流の経営者は事業を残す、一流の経営者は人財を残す!!』

2011年8月16日火曜日

PFドラッカー365の金言より

新しいことを始めるためには、今までやっていたことを体系的かつ計画的に廃棄していかなければならない。
さもなければ、多忙さを理由に新しいことを始めるのが先送りされてしまう。
しかし、廃棄することに人気がある訳はない。

廃棄すること(今までのやり方・考え方を止めること)には抵抗があることを覚悟しておかなければならない。

(コメント)
7~8年前のある酒造メーカーでの実話です。
経理事務を合理化しようということになり、今までやっていた仕事を書き出してもらい、具体的に使用していた帳票類を見せてもらいました。その上で、それぞれの帳票は「誰が」「何のために」「どのように使用しているのか」を明確にしていきました。
そこで明らかになったことは、誰も毎月の試算表を見ていないこと、パソコンの経理ソフトを使用しているのに別途仕訳票を記入し、しかも手書きで勘定科目別台帳も記入していました。
そして、それぞれの作業担当者に誰に指示をされて今の作業をするようになったのかと尋ねていくと、全てが退職した前任者からの引き継ぎであり、誰もその作業を廃止しろと指示しないから、しかたなくやっていたことが判りました。
誰も止めろと指示をしないから、現場ではムダな事務作業ばかりが行われていました。直ちに、廃止すべきものは廃止してもらい、経理担当者は交代で製造・出荷現場を手伝うようにしてもらいました。
些細な事例ですが、現場ではこのようなことが沢山あるのではないでしょうか?

2011年8月15日月曜日

PFドラッカー365の金言より

未来は、望めば起こる訳ではない。
未来を築くには、いま決定をおこなわなければならない。リスクを負い、行動しなければならない。経営資源を割り当てなければならない。とくに人財を割り当てなければならない。
今日のトレンドを単純に引き延ばしたり、今日の製品、サービス、市場(顧客)、技術が明日もそのままで通用すると仮定したり、資源とエネルギーを昨日までのことを継続するための防衛に使ってはならない。
どの事業を捨てるか、あるいは力を入れるかについて考えることが必要である。


(コメント)
「念ずれば花ひらく」と言われます。
しかし、この言葉は、念ずる位に思いが強ければ、自ずから計画し、決定し、行動するであろうということを前提にしています。
どんなに良い「思い」があったとしても、決定し行動しなければ、「良き意図があった」で終わってしまいます。
数年前にある銀行のご紹介で、看板・表札制作会社から経営再建のご相談がありました。この会社が有する特殊な「エッチング技術」を活かして電子部品基板市場に進出する経営革新計画をたて、広島県からその承認を得て銀行も全面的に支援することになりました。しかし、最後の最後に、この会社の経営者は「実行する」という決断が出来ませんでした。

FPドラッカー365の金言より

問題が起こったときに手を貸せないのであれば、意思決定に関与してはならない。
重要なことは、いかなる未来を今日の思考と行動に織り込むかである。

(コメント)
何か、いまの政権のことを言っているようですが・・・・・。そうではありません。企業の内部でも同じことが起こっていませんか? ヒトが代わっても未来に対するビジョンは伝承されいてきます。 「変えてはならないコト」と「環境変化に合わせて変えるべきコト」の違いを組織内部に浸透させていくことが大切です。

今日からこのブログの役割をFacebookノートの役割と交代させています。このブログの従来版にご興味ある方は、FacebookノートまたはFC2ブログをご覧くだされば幸いです。

2011年8月14日日曜日

整理解雇と解雇予告通知書

資金繰りに行き詰まり、打開する策がないため、やむを得ず従業員全員を解雇することにした会社の解雇予告通知書(案)を作成し、社長に記載している解雇事由が事実と相違ないか確認してもらうためにメールした。
日本の会社は、最後までアガく(特攻隊精神)ので倒産しようにも倒産できなくなっている会社が多いのだが、この社長はよく決断したものだと感心する。
従業員さん達には申し訳ないが、従業員さん達も自分達のする仕事が社会貢献できないのだから、早々に別な会社に転職して、社会貢献できる会社(=利益が出ている会社)で仕事をされる方が自分の人生のために良いと思う。
私自信が倒産して11年になるが、私の苦い体験をこの社長にはさせたくないので、この会社は倒産をさせずに事業規模縮小(実質的に社長の家族だけで継続する)してもらい、その中から次に生きる道を見つけ出してもらうように進行させている。
盆休み明けから忙しくなるが仕方ない。しかもボランティア的な仕事だ。

2011年8月13日土曜日

営業責任者の退職

「経営者は、就任と同時に自分の後継者教育を始めなければならない」と言われます。これは中間管理職の人の場合も同様に言えることです。そうすることが、自らの成長に繋がるのです。何故なら「ヒトは他人に教えることで自らが成長していく」からです。
さて、8月20日付けで退職することにした営業責任者がいるのですが、本人は就任当時から「自分の任期は3年間だけにして、後は別な人にポジションを譲る」と言われていました。また、7月には「8月は年次有給休暇を取るからほとんど出勤してきません」とも言われていました。
私は離職票に本人の捺印が必要なので本人の携帯電話に昨日電話した処、本人曰く「8月も毎日出勤しています。20日までは休めない状態です」とのことだったから、急いで今日訪問して本人に捺印してもらいました。
色々なことを本人とお話しし、本人は年次有給休暇が取得できずに退職することに不満をもっているようでしたが、結局は自分が自分の後継者を育てていなかったから年休も取得できずに退職する日まで出勤せざるを得ないハメになったようです。
ただ、責任者としてのこの責任感は称賛に値すると思います。

2011年8月12日金曜日

盆休み前の大掃除

今日は大半の会社が盆休み前の大掃除をされていた。
感心したのは、この暑い中を従業員さんが100人位いる会社の会長さんが、みんなと一緒に汗だくになって、掃除をしたり、倉庫の整理を手伝ったりされていたことだ。そして、同時に普段は余り話しができない従業員さんともコミュニケーションをされていた。
40名弱の会社でも今日は大掃除の日らしく、社長が従業員2名と一緒に山のような量のフロッピーディスクを廃棄するため、読み取りができないようにカットされていた。
やはり儲かっている会社のトップは、従業員が暑くて働きたくないときこそ、自ら率先垂範されているようだナ。

2011年8月11日木曜日

通勤労災と整理解雇

昨年10月9日に出勤途上で躓いて足首をくじいた68歳の従業員さん。6月2日には通勤労災としての治療が完了し、その後はリハビリに専念してズ~とお休みされていた。そうした処、配属されていた事業場が7月31日付けで廃止されることになり整理解雇となってしまった。ご本人も、もう高齢なため働くのがシンドかったのか、素直に整理解雇されることを承諾された。
廃止されることになった事業場は大半がアルバイトや超短時間のパートさんだったので特別に揉めることはなかったが、唯一、一人だけいた社員さんが整理解雇されるのは承諾するが、離職票に署名捺印するのは最後の月の賃金と出勤日数までもが記載された後でなければ嫌だという。そこで、仕方なく最後の賃金計算が終わるのを待って離職票発行手続きをしようとしていたら、昨日になって気が変わったらしく、早く離職票が欲しいから最後の賃金が未記入でも署名捺印すると伝えてきた。そして今日には取りに来たいということだったので、慌ててその会社に行き、離職票発行の手続きを整えるハメになってしまった。最初から言う通りにしておけば、もっと早くに離職票を渡せたのに!!
しかし、整理解雇される側からすると会社に不信感を持ってしまうのもやむを得ないよナ!!と納得する私でした。

2011年8月10日水曜日

東日本大震災被災者電話相談会

東日本大震災被災者電話相談会へ相談員としてボランティア参加しました。
何故に今頃するの?と思いながら出席した処、案の定、相談件数「なし」の実績となりました。
開催中は、他の士業の方々がいる場が某社労士の独演会となった感がありました。正直に言って、こんなんなら空いた時間で仕事でもさせてくれれば良いのにナ!!と思いながら参加していました。
主催した弁護士会の意図としては、広島県に移住してきた被災者からの電話相談を期待していたらしく、事前に自宅宛に案内文を郵送していたそうです。

2011年8月8日月曜日

ICTによる販売改革セミナー

広島市産業振興センター主催のICTによる「販売改革セミナー」に参加しました。
ICTって何? という興味から参加したのですが、要するにホームページビジネスのことでした。
丁度、私自信のホームページで迷っていることが数点あったので質問もさせてもらいました。
講師曰く、①自らをブランド化すること、②価格は無暗に安くしないこと、の2点に注意するようアドバイスされました。折しも、弁護士のHPで顧問料月額¥3,980という情報があった直後だけに、大変に参考になりました。
早速、自分のHPを変更することにしました。


2011年8月7日日曜日

就業規則の大量印刷

今日は、日曜日を利用して一括届出予定の就業規則54冊を印刷した。
こんな量を一機に印刷するのは2年ぶりのこと。ただし、今回は労基署に一括届出する予定なので印刷枚数が前回の約半分ですむし、各労基署には本社管轄の労基署が郵送してくれるそうなので郵送の手間が省ける。
しかし、今日の予定では午前中3時間で終わる予定だったが、トナーが途中で切れたことに気づかず、約三分の一が裏面にムラのある印刷となってしまったため、昼下がりの暑い日差しの中をトナーを買いに行ったり、不足した両面紙を買いに行ったりして一日仕事になってしまった。
ヤレヤレ、いい運動になった!!しかし、印刷したものを顧問先に届けたら、また量の多さでビックリするだろうナ!!そして今後は、署名捺印された就業規則が何日に各店から返却されて全店分が揃うかが大きな問題だナ!!

2011年8月6日土曜日

営業機密漏えい対策

ある企業の取締役会議題で「営業機密漏えい対策」を提案した。
その企業は、2年前に営業機密漏えい問題が発生し、そのときは弁護士による和解案でなんとか解決したのだが、それ以降「やる、やる」と言いながら、いつまでたっても漏えい対策を講じなかった企業。そして、此度、また機密漏えい問題が発生しました。今度は、その企業の取引先から「お宅には社内にスパイがいるようですヨ。お宅が提示する見積書のことが全て競合先企業に漏れている疑いがあります」と善意の忠告をもったことが発端。そこで、再び社内が騒然として、機密漏えい対策を「しなければならない」「しなければならない」と口で言うだけで一向に実行しないので私が確認した処、「担当者が忙しくて時間がとれないのです。」との回答であった。これじゃあ、何時まで経っても漏えい問題対策が実行される筈がない。だって暇な担当者ならば機密漏えい対策を講じる能力はないであろうし、能力のある担当者であればいつも引っ張りだこだから、いつも時間は足らないのが世の常識!!本気でない証拠だ!!
そこで、次回取締役会で機密漏えい問題を議題として取り上げるよう提案したら、議長である社長から「機密漏えい対策の現状を報告するようにします」との返事があったので、私から「今月の取締役会の議題は現状の報告ではなく、誰が、いつまでに、いくらの費用をかけて機密漏えい対策を実施するのかをスケジュール化しなければ駄目です。そうなるような議題にしたください」と依頼した。
この会社、機密漏えい対策としてはパソコンのデータのことしか頭にないが、パソコンの機密漏えい対策は機密漏えい対策の一部にしか過ぎず、一番大切なのは従業員教育であるということを理解しようとしていない。
「魚は頭から腐る。しかし、魚は頭からしか進めない」と格言でいうが、この会社は頭が半分以上腐りかけているようだナ!!

2011年8月5日金曜日

若年者等正規雇用化特別奨励金

若年者等正規雇用化特別奨励金の支給申請書が労働局から届いた。この奨励金は極めて珍しいのではないかと思う。
3月1日に雇い入れた事務担当社員さんなのだが、学校を卒業してからズ~と派遣としての仕事を色々な会社でされていた。ハローワークも紹介時にその点を見落としていたので、入社時に私が履歴書をハローワークに見せて打診した処、労働局に確認したうえで対象者に認定された経緯がある。
奨励金金額も3回に分けてだが合計で100万円貰えるので社長さんも大喜びしていた。しかも、入社して会社の訓練を受けさせると、元々の本人の能力が高かったのか非常に仕事ができる社員さんになりつつある。本人もこの会社はいごごちが良いらしい。私も会社で株があがった。いいこと尽くめの奨励金だ!!

国民年金の障害認定基準の改正

社会保険労務士会から国民年金の障害認定基準が改正されること、添付すべき医師の診断書が変更となる案内が届いた。
内容を確認してみると、躁うつ症ほか精神障害の認定基準がいままでよりも細かく規定されていた。診断書の内容もより詳細に記述されるようになっていた。
2ケ月前の無料相談会で統合失調症の人の相談をうけたとき、また先月に躁うつ症の相談をうけたときに思ったのだが、今までの障害認定基準は不明確な点が多く、障害認定結果に不満を持つ人が多かったので基準をよりわかり易く、かつ詳細に、変更したようだナ!!
しかし、それだけ精神障害に陥る人が増えているということだナ~!!
なんか「落ちぶれる平家の雅さよりも、荒々しくたくましく伸びる源氏を見習え」という格言を思い出してしまう。現代人は生活にユトリができたが、精神的に「ひ弱」になったんだろうナ。
しかし考えてみれば、会社で精神的障害を持つ人が増える可能性があるということだから、就業規則で定める休職、復職等の規定内容もそれに対応できる規定に変える必要があると思う。昔しのひな形のままの就業規則では精神障碍者が社内で発生したときに役に立たない就業規則となってしまう。

2011年8月4日木曜日

60歳以降の給与決定

61歳の人を他社から引き抜いて入社させようとしている会社の責任者から「賃金と賞与を合わせて500万にしたいのだが賃金をいくらにすれば良いか試算してくれ」ということで試算結果を先日提出したのだが、昨日になって「賃金と賞与と高年齢給付金の合計額が年間490万円位になるように試算し直してもらいたい」との依頼があった。
この場合、「高年齢給付金を最高額にできるように先日既に試算していたから賞与で調整すればよいナ」と短絡的に考えていたが、色々と試算すると、僅かばかりながら年金が支給されることがわかった。そこで、賃金と賞与と高年齢給付金と年金とを合わせて年間490万円位になる試算をPCソフトで展開。ヤレヤレ、エラく複雑にことになったナ!と思いながらも、とうにか試算結果を会社に連絡することができた。
どうも60歳以降の幹部社員の給与(賃金+賞与)を決めるときには、年俸制的な考え方で賃金や賞与を決めようとする社長が多いようだナ!!

2011年8月3日水曜日

電子申請

一昨日の夕方に送信した雇用保険資格取得届の電子申請が返信されてこないので、今日、ハローワークで確認したら、「前の会社がまだ未処理なんです。ア~、これも連絡しないと送信者にわからないですよネ」と言われてしまった。最先端の技術?を導入するのも良いけど、働く基本の考え方をチャンと教育しておかないと最先端技術も役に立たない。何のための電信申請なのかナ?これじゃあ、雑誌にあったように利用者が増えない訳だ!!

2011年8月2日火曜日

自社で作成した就業規則変更届

先月、住宅手当に関する規定を今月から変更するので就業規則変更届をお渡ししていた企業から、意見書と表紙への署名捺印が整ったから届け出てもらいたいと電話で依頼があった。
お伺いしてみると、私が作成した就業規則変更届を参考にして自社でその他の箇所を変更した就業規則変更届も一緒に届け出て貰いたいと言われる。
正直、こんな場合が一番困る。一般の人が作成した場合には、言い回しや表現方法によりモレやブダリそして法律違反等が無いかを再チェックしなければならないからだ。しかたないので急いでチェックし、問題が無いことを確認したうえで労基署に届け出ることにした。この暑さの中をバイクで走り回っているので、急に就業規則の内容をチェックしようにも頭がボ~として中々焦点が定まらなかったのが実情だった。
労基署に行ったついでに、他社の労災事故の私傷病報告書も提出しておいた。提出しながら自分が描いた事故当時の現場図が暑さのせいか大雑把に描いているナ~と思ってしまった。暑さのせいとは言え反省、反省!!

大震災に伴う無料相談員

今さら?と思う時期に、弁護士会が中心になって大震災に伴う無料相談会を設けるというのでボランティアになることにした。
高齢の叔母さんが一人で岩手県釜石市に住んでおり、色々な人にご協力頂いたようだから、せめてものボランティア活動と考えている。
とは言うものの、資料を揃えておく必要があるので、ネット、労基署及び年金事務所で資料を集めた。無料相談会は8月10日開催だから、それまでにボチボチと読んでおくことにしよう。電話中心の相談会だそうだから、対面方式と違って相手の言っていることを理解するのが難しいから厄介だナ。

2011年8月1日月曜日

60歳以降の最適賃金試算

61歳の人を他社から引き抜いて入社させようとしている会社から、給与をいくらにすると良いか試算して貰いたいという依頼があったので、年金を調査した。
あと1年7ケ月で長期加入者の特例に該当することがわかった。さて、この長期加入者の特例を社長に説明するのは厄介だナ!!
ところで、何を目安に最適賃金を提案すれば良いのか判らなかったから、社長に電話で確認したら、なんと既に年収500万円で本人と約束をしているという。それならそうと言ってくれれば、年金は期待できないから高年齢雇用継続給付金が最多額になる賃金を見つけ出し、残金を賞与にすれば良いだけとなるから極めて簡単な作業となる。