2011年8月22日月曜日

PFドラッカー365の金言より 9

幹部候補生を早いうちに識別し育成する最良の方法は、権限を委譲し、分権制により最大限の責任を与えることである。
各部署に与えられるのは「自立性」であり、「独立性」ではない。
各部署は全体に対して「利益」を貢献しなければならない。自立している訳であるから、全体の利益に貢献するのではなく、全体に対して利益を貢献するのである。


(コメント)
まだ若いから無理で「あろう」と考えて、実際に権限を委譲し自分でやらせてみなければ、いつまでたっても幹部候補生を育成することはできません。どんなに教えても、実践した経験がなければ耳学問で終わってしまいます。
そして、この時に注意しなければならないことは、自立させることが必要なのであり、独立させることではないということです。幹部になると「自分で考え、自分で指揮・行動することが必要」となりますが、それが組織全体から浮いて(協働できない状態)しまっていては組織全体の成果に結びつかなくなってしまいます。そのため、自立していることが必要ですが、独立していてはいけないのです。その為に、権限委譲をすると、それまで以上にコミュニケーションが大切になります。
そして更に、全体の利益に貢献するという漠然とした考えではなく、自らの責任において利益を生み出し、その利益で全体に貢献するという考え方が必要となります。この考え方を教育しなければ、「他力本願」「できなかった理由探し」をする人材となってしまいます。
ただし、権限委譲する前提条件として、相互の信頼関係は必要不可欠なものです。当然のこととして、信頼できない者が優秀な能力を持っていたとしても将来の幹部候補生にすることは無いと思います。そのような人は幹部ではなく専門職とすべきです。

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