2011年8月29日月曜日

PFドラッカー365の金言より 16

コスト主導型で価格設定を行うか、価格主導型でコスト管理を行うか?
問題なのは技術ではなく「ものの考え方」である。顧客価値の創造と価格主導型のコスト管理に努めることが大事である。

(コメント)
顧客が価値あると思う価格でモノやサービスを提供することが大切であると言われ続けて久しいものがあります。しかし、実務では得てして「このモノ(サービス)を製造(提供)するには幾らのコストがかかっているから、販売価格はこうせざるを得ない」と考えている場合は多いものです。
最近ある顧問先が、競合企業から工事入札で競争を挑まれ、泥仕合となりました。当初の見積もりで見積もった工事原価を遥かに下回る価格でどうにか落札できたものの、当初計画のまま工事を施工すると大赤字となってしまいます。そこで、この顧問先は、受注価格に見合うようなコストに抑えるため、部品仕入れメーカーと交渉したり、工賃を圧縮できる工事方法を一生懸命に考えながら施工されています。そして、この工事では収支トントンに収めることを目標として、この顧客から他の注文を取れるように営業強化をされています。
泥仕合となった入札工事は事例として如何なものかとも思いますが、「飽食の時代」となり顧客の選択枝が増えた昨今では、顧客の希望価格に合わせてモノやサービスの製造(提供)方法を考えることが必要な時代となったようです。
例えば、紳士スーツが1万円で常時販売される時代となったからには、1万円でスーツが販売できる方法を考え実行することが必要な時代なのではないでしょうか?
ただし、1万円のスーツを主力として販売していると、そのような客しかこない店になり、30万円のスーツを主力として販売していると、そのような客が来る店になる点には注意する必要があります。そのため、コモディティ(一般消費財)を販売する場合には、「顧客(ターゲット)を明確に」することが大切な時代となったようです。1万円のスーツも30万円のスーツも欲張って売っていると、両方の客が来ない店となってしまいます。
「顧客を明確にして」「自社の特徴を打ち出し」「他社との差別化を図ること」が必要になっています。
昔しあったような「うどん」も「ラーメン」も「寿司」も「焼肉」も食べられる「更科屋さん」には客は食べに行かず、それぞれに特徴をもたせた専門店で客は食べる時代となっています。

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