2011年8月21日日曜日

PFドラッカー365の金言より 8

組織は道具である。専門分化することによって自らの目的遂行能力を高める。
組織は一つの目的に集中するがゆえに成果をあげる。多角化は、組織として成果をあげる能力を破壊する。
明確で焦点の定まった共通の目的だけが、組織としての一体性を保ち、成果をあげさせる。


(コメント)
数年前から「選択と集中」の必要性が説かれていますが、ドラッカー先生は自らの経験を元にその遥か前から説かれていました。
よく中小・零細企業では「企業目的は儲けることヨ!!」と放言し、真の企業目的を考えようとされていません。しかし、「儲けること(利益をあげること)」は企業目的ではなく、企業が存続するための必要条件にしか過ぎません。企業目的を不明確なまま放置したり、社内で徹底していないと、雪印・赤福・吉丁等のような事件が発生してしまいます。また、各自が一生懸命に梯子を登ったが、達成すべき目的が達成されなかったということにもなりかねません。
「誰に(どんな顧客に)貢献するのか<誰に>」「何をして顧客に貢献するのか<何を>」「モノ(サービス)をどのように提供するのか<どのように>」を明確にした目的を持ち、その上で社内分権化(専門分化)を進め、自立した組織作りが必要となります。
そして、ビジネスは商機との競争ですから、市場(顧客)の変化を見定め、「いま」「何に」「どのように」集中して取り組むことが最も「効果的か」を考える(最も「効率的」と考えるのではない)ことが必要です。
一昔前までは色々なものが揃っている小売店が良い小売店(百貨店や量販店)と考えられていましたが、いまは何でも揃っている店には何も自分の欲しいものが無いと考えられるようになっています。これはモノが豊富になり、競争が激化した結果です。セブンイレブンのように絞り込まれた品揃えだが時間(便利さ)を売る店、専門店のように限られた分野を深耕した品揃えを提供する店が求められています。これは丁度、昔はうどんもラーメンも天ぷらも売っていた飲食店「更科」が今では無くなり、ぞれぞれに特化し特徴をもたせた店が生き延びている現況が物語っています。貴社の現状はどうでしょうか?特に歴史のある古い会社ほど注意が必要です。あれやこれや顧客の変化に振り回されて総合化してしまい、「自社は〇〇で顧客(社会)に貢献する会社」が不明確になった結果、非効果的(非効率ではない)な活動を繰り返していませんか?
ただし、新しいものに取り組むときはテストが必要です(仮説をたてて検証すること)。そのため、テスト中は分散しているようにも見受けられますが、違いはその時点での主とするものが明確であるという点です。テスト(検証)が終わり実行する段階になると、全体を再度確認して廃止すべきものは廃止して(計画的廃棄)、新しいものに集中することが必要となります。

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