2011年8月26日金曜日

PFドラッカー365の金言より 13

現業(現場)の実績がなければ信頼を得られず理論家として片づけられる。そうならない為には、スタッフ部門と現業部門の間で人事異動を行ってください。現業の経験がなければ、スタッフが現業に対して傲慢になってしまいます。スタッフの仕事を一生の仕事にさせてはなりません。一時の仕事としなければなりません。

(コメント)
私のお客さんの中に、財務畑しか経験していない人が社長になった会社があります。この人には現場の経験が一度もありません。この社長の言うことを一つひとつ検討すると、どれも理論的には正しいのですが、中長期で言われていることを全体として捉えると、この会社での実現性は乏しい内容(この会社の実情を考えると無理)となってしまっています。その結果、この社長が言うことを実行しようとする社員はいません。結果として、各社員ともに頑張っているのですが、会社全体ではバラバラの方向で頑張っている為、中々、会社全体の成果が上がらない状態に陥っています。
この社長さんが財務スタッフとして社長に意見を述べる立場に留まっているのならば現場経験が無くても良かったのでしょうが、社長という全権を持つ地位に就くためには、現場に入り込んで現場体験をする必要があったようです。しかし、社長になった今からでも遅くはないのです。社長室で社長業だけをするのではなく、自ら時間を創り出して、現場に入り込んで現場の従業員さん達と話しをし、観察し、自分で体感(五感で感じ取る)すれば良いのです。
これは私のような社会保険労務士の仕事に関しても言えることです。法律を「知って」いる、手続きを「知って」いるだけで、自ら体験したことが無い社会保険労務士は会社から相手にされません。知識に経験を加えて知恵とし、その知恵を使った仕事をしなければ実社会では役に立たないのです。ですから、私は若い社労士さんに「最初のうちはお客さんにお金を支払ってでも経験させて貰うつもり位で仕事をしなければ、いつまで経っても顧客開拓はできませんヨ」と話ししています。
スタッフとして仕事をされていらっしゃる方々は、できるだけ時間を創り出して、現場に行くことが必要です。因みに、ある土木建築の会社の総務の人には毎月安全衛生指導を目的に工事現場を訪問して現場の人達と話しをするように指導しています。

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