2011年8月24日水曜日

PFドラッカー365の金言より 11

コミュニケーションを成立させるものは受け手である。
従って、まず「聞く(聴く、訊く)」ことによってコミュニケーションを始めることが必要である。

コミュニケーションは聞く者がいなければ成立しない。無意味な音波でしかない。そのため、コミュニケーションを成立させるためには次の4つのことに注意しなければならない。
①ヒトは自分が知覚できるものしか知覚しない。その為、受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。
②ヒトは期待しているものだけを知覚する。
③コミュニケーションは、それが受け手の価値観、欲求、目的に合致しないとき、全く受け付けられないか抵抗される。
④情報は論理の対象である。形式であって意味はない。記号である。受け手が記号の意味を知らなければ、情報は使われるどころか受け取られることもない。情報が受け取られるには、予めの了解、すなわちコミュニケーションが存在しなければならない。


(コメント)
小学校低学年の子供を想定してください。子供と大人とでは伸長が違い目の高さが違うので、同じ場所にたっても見えるものは違います。同じように、子供と大人では関心のあること、気にかかっていること、その優先順位のつけかた等が違います。
①は、親が子供とコミュニケーション(命令ではない)しようとするときには、子供の視線に合わせて、子供に理解できる言葉を使わなければならない、ということです。
②は、①を行っても、子供は自分にとって都合の良いこと、自分が期待していたことだけを理解します。大人には見えるけど子供に見えないこと、またその逆もあります。経験も違います。その結果、期待すること、関心をもつことに差がでます。だから、まず最初は「なぜ私の言うことを聞く必要があるのか」を認識させることが必要となります。
③子供の価値観、欲求、目的に合致しないことを親がコミュニケーションして伝えようとしても、子供は心理的に抵抗を示します。
④そして、普段からコミュニケーションしていない親戚の子供にお話しをしようとしても中々思うようには伝わらないということです。
最近では実社会でも、高等教育を受けた頭脳優秀な人材だけれど精神的に未熟な(子供と同じ)ヒトが増えています。そのようなヒトが片手間に法律を聞きかじり、自分の権利を主張(精神的に子供だから義務は考えないことが多い)する場合が非常に増えています。
このような状況下で相手との紛争を避けるためには、自分の思い込みを前提にして話しを始めるのではなく、まず相手の話しを聞く(聴く、に訊く)ことからコミュニケーション始めることが大切です。
そして、コミュニケーションの成果を得るためには、コミュニケーションが終わるときに相手がどのように理解したかを確認する(復唱)ことが必要です。
古い格言でも「力で相手を押さえつけようとするよりも、時間を味方につけて解決しようとする方が有効である」というのがあります。

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