2012年4月24日火曜日

人を動かす  カーネギー

経営者の間では有名なアメリカのカーネギー氏の書籍「人を動かす」より、人を動かすための秘訣部分を抜粋しました。

書籍「人を動かす」 著者:カーネギー
①相手を非難するかわりに、相手を理解するように努めよう。
②相手を認め、相手に重要感を持たせよう。
③相手の立場になって考え、相手の心の中に強い欲求をおこさせよう。

(コメント)
時代が大きく変わり始めた今こそ新しいタイプのリーダーが渇望されています。そして今、リーダーシップのあり方が変わり始めています。
現代の平時(緊急時を除く)においては、一昔前のように率先筆頭型で部下を強引に引っ張っていくリーダーではなく、コーチング等に見られるように、部下に方向性を示し、部下を動機付け、部下自らの意思でやってもらうタイプのリーダーが必要とされています。
一見ひ弱なリーダーのように見えますが、飽食の時代となり、人々の価値観が変わった現代において協働して目的を達成するためには、新しいタイプのリーダーの方がより有効なのだと思います。
このタイプのリーダーであれば、最近急増している鬱病などの精神疾患に部下が陥ることを防げるかもしれません。

2012年4月23日月曜日

PFドラッカー365の金言より  オマケの8(最終回)

PFドラッカー先生は「機会(チャンス)は自ら見つけるものであり、やってくるものではない。」と言われていますが、どうやってチャンスを見つければ良いかも教えられています。

<< 本文 >>
機会を見つけるためには、予期せぬ成功と失敗を利用する。

(コメント)
「強みを活かせ」とよく言われますが、自分の強みに気づくことが一番難しいことなのです。
論語でも「自らを知るものを智者という」とされています。
自分自身の「強み」と「弱み」に気づくためには、「最初に何を期待してモノゴトを始めるのかを書き出しておき、それを実際の成果と比較することである」と先生は別の箇所で教えられています。
こうすることで、「最初には予期しなかった成功」と「予期しなかった失敗」に気づけるようになり、その中から自分の「強み」と「弱み」を見つけ出すことができるのです。最初の自分の「思い」と実際の成果を比較することで、自らの「強み」「弱み」に気づくことができるようになるのです。
先生は「これはキリスト教カルビィン派の修道僧が数百年前から行っていることである」と紹介されています。
チャンスを見つけ活かすことができるようになる為には、まずこの第一歩を踏み出す事が必要です。

2012年4月22日日曜日

PFドラッカー365の金言より  オマケの7

<< 本文 >>
意思決定は速さが重要なのではない。
意思決定すべき事柄を増やしてはならない。
意思決定は速さではなく、その内容が重要である。
そして、意思決定には集中が必要である。

(コメント)
先生の言われる通りだと思います。
私もシバシバ意思決定を急ぐ余りに判断ミスをしてしまうことがあります。そのため、意思決定には「焦り」が大敵であると肝に命じています。そして判断ミスに気づいたときには素直にミスを認めて誤り、修正するように心がけています。基本的に意思決定は時間との競争状態になりがちの傾向がありますから、時間的に追い込まれない工夫をすることが必要です。ブレイクスルー思考法では「壊れる前に直せ」という原則があるので、これを習慣化することが追い込まれた意思決定をしないためには大切です。
そして、意思決定には「集中できる環境」をつくることが先生の言われる通り必要だと思います。忙しい最中に片手間に重要な意思決定をしてはいけません。ミスをする原因となります。また、疲れいてるときや、深夜時間帯に意思決定をしてはいけません。独善的な判断をしてしまいます。私は、重要なことは業後に考え直し(その場で直感で判断もするが公言はしない)、しかも一晩自分の頭の中で熟成させ、そうして早朝に再度考えたうえで最終の意思決定するようにしています。何故なら、早朝の時間帯は誰にも邪魔されることなく、電話もなく、冷静に、かつ論理的に考えることができる「集中できる時間帯」だからです。そして更に、最も重要な事柄は3回(3日)考え直すようにしています。その上でベストと自分が思えるものを選択する決定を下します。
更に、PFドラッカー先生は「意思決定すべき事項を増やしてはならない」とも教えられています。その為には、権限移譲すること、自分ひとりで抱え込まないこと、意思決定すべきことに優先順位をつけること(「急ぐ」ことからではなく「重要」なことから決定を下す)を普段から心がけることが大切です。

2012年4月21日土曜日

PFドラッカー365の金言より  オマケの6

<< 本文 >>
人は強みを活かして初めて何かができる。何かをすることによって、何かを達成できる。

(コメント)
何やら意味難解な文章です。
ここで先生は『人は自分の強みを発揮することで、初めて自分がやろうとしていることが達成できる。しかし、何もしなければ何も達成することはできないのだから、何かをやり始める(思い考えるだけでなく、実際に行動する)ことが大切である』と教えられたいのではないかと思います。
また、「強み」に関してですが、「強み」とは絶対的なものではなく相対的なものであることにも注意することが必要です。同一人物でも、レベルの高い人たちが沢山いる中ではその人の持つ特定の能力はその人の「強み」とはなりません。しかし、レベルの低い人しかいない状況の中では、大してレベルが高くない能力でもその人の強みとなります。従って、「強み」とは自分の持つ能力と周りの人達が持つ能力の相対によって決まるものなのです。
私はこの「強み」に関しては、大学の経済学で学んだ国際取引における比較優位の法則を思い出します。A国とB国が製品(a)と製品(b)を生産していると仮定します。そしてA国は(a)(b)製品のいずれにおいても生産能力がB国よりも優れており、更にはA国内において(a)(b)両製品の生産能力を比較すると(a)製品の能力が秀でているとします。この状況下で最大成果を生むためには、A国が(a)(b)の両製品を生産するのではなく、A国は(a)製品だけを製造し、(b)製品はB国が生産することが必要となります。
人間の「強み」に関してもこれと同じことが言えます。あらゆることに優れた人がいたとしても、その人が全てを行うよりも、その人の最も得意とする「強み」を発揮できることをその人は行い、他はほかの人に任せることが最大成果を生むことになります。そうして組織のテコの原理を活用すれば、「1+1=2」ではなく「1+1>3」となるのです。
ただし、繰り返しになりますが、思い考えるだけでは何の成果も得られません。実際に行動する勇気をもち、行動を開始することが大切です。

2012年4月20日金曜日

PFドラッカー365の金言より  オマケ の5

<< 本文 >>
成果をあげるためには「貢献」を中心に考える。そのためには、
①顧客は誰か?
②顧客にとって価値あるものは何か?
③顧客にとって価値あるものに、あなたは何で貢献するのか?
④あなたの顧客戦略は何か?

(コメント)
事業活動の基本とすべき考え方だと思います。
①どんな顧客を主たる顧客とするのかを明確にすること
②その主たる顧客が価値があると考えるものは何かを考えること
③その価値あるものに、自分としてはどのように貢献しようとしているのかを明確にすること
④そのうえで、自分の営業戦略を考えること
が必要であると言われています。
しかし、現実の社会を見ると、「売りたい」「儲けたい」「これは客に喜ばれる筈」という自分の思い(思い込み)だけが先行してしまい、身勝手な業務活動をする人々が多いことに驚かされます。
また大昔と違い、現代は顧客を明確にする必要がある時代となっています。昔はモノが不足していましたからモノが先にあれば、それを必要とする人々が群がってきた時代がありました。この時代には「お客様は神様です」と唱え、全ての人を客と想定すれば良かったのですが、現代はモノが豊富になり客の欲求水準も高度なものになっています。その結果、どんな顧客を主たる客にするのかを明確にしないと中途半端なことを行ってしまうことになり、成果があがらない結果を招き易いのです。
私の顧問先に居酒屋チェーン店を営む会社があります。この企業は社歴10年強の若い会社ですが、「20代後半の若い女性が友達と楽しく会話しながら食事を手頃な価格で楽しむ場を提供する」ことを事業目的にしています。私が大学生の頃には「養老の滝」という居酒屋がありよく行ったものですが、ここは男性サラリーマンが安くお酒を飲む場を提供するお店のようでした。また、牛丼の「吉野家」さんは最近は多少は変わり始めたようですが、昔しはどちらかというと男性の肉体労働者を顧客としていたようです。それに対して「すきや」さんは家族づれでも女性でも牛丼が楽しめる場を提供されているようです。その結果、「吉野家」さんと「すきや」さんとではメニューが違い、また店づくりも違います。
そして、一番大切なことは「顧客が価値ありと認めるものに自分が如何にして貢献するか」を考えることです。このときは、自分の「強み」「弱み」と「競合相手」の状態を考慮したうえで顧客の「真のニーズ」を満たすことが必要です。
そして絶対に忘れてならないことは、「タイミング」です。「いつ」「どのタイミング」又は「いつまでに」顧客のニーズを満たすのかを熟慮する必要があります。

2012年4月19日木曜日

PFドラッカー365の金言より のオマケ 4

<< 本文 >>  私が最も重視しているPFドラッカー先生の言葉です。
成果をあげる者は、仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に、時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
そして最後に、得られた時間を大きくまとめる。

(コメント)
少々、意味難解な教えです。
私は、仕事で成果をあげるためにはその仕事に「集中」することが大切である。
そのため、仕事を始める前に「集中できる時間」を確保することが必要となる。
集中できる時間を確保するためには、非生産的な仕事(例えばテレビを惰性で見る、意味の無い世間話しや噂話しをする等の成果を生まないこと)を止めることが必要である。
非生産的なことを止めて時間を確保し、更には雑用によって分断されがちな自分の時間を纏め、大きな時間の固まりを確保することが必要である(会社によっては電話取次・打合せ等を禁止する時間帯を設けて社員が自分の仕事に集中できる時間帯を設けている会社もあります)。
その上で、その時間帯に集中して仕事に取り組むことが成果をあげる秘訣だと先生は教えられています。
そして、大きな時間の固まりを確保できたならば、自分がしなければならない仕事に優先順位(「重要性」と「緊急性」)をつけ、優先順位の高いものをその大きな固まりで処理するようにすることが必要です。
何故ならば、人間は集中するとその人の持つ能力以上の力を発揮することができますが、集中しなければその人が持つ力以下の能力しか発揮できなくなるからです。
優先順位の低い仕事は空いた時間を利用して処理していきます。
電話やインターネットが普及して情報が氾濫する世の中では、自らの時間を如何に管理していくかが成果をあげるための大きな秘訣となります。兎に角、注意すべきことは「惰性・習慣に流されない」ようにすることです(「日々新たなり」の気持ちが大切)。

2012年4月18日水曜日

PFドラッカー365の金言より  のオマケ 3

問題解決のために経営資源(特に時間)を費やすよりも、機会を活かすことに経営資源を使え!!

(コメント)
社会保険労務士&経営アドバイザーという業を行っていると、「問題」解決するのに時間を費やしている会社が如何に多いかということに改めて驚かされます。みなさん、問題が発生してしまってからご相談に来られます。しかし、問題として発生した後では打てる手立てが限られてしまうのが実情です。予防措置を講ずるのに比較すると、問題が発生してしまってから解決するには3倍以上の時間と労力が必要となると言われます。
ブレイクスルー思考法では、「壊れる前に直せ」と教えます。
問題は発生してから解決しようと考えるのではなく、予め対策を講じることで問題が問題とならないようにすることが大切です。即ち、解決すべき「課題」の間に解決することで問題とならないようにしてしまうのです。
将来問題になりそうなことを予め見つけ出し(この段階では問題ではなく「課題」に過ぎない)、その課題に優先順位をつけて解決していくことが大切です。こうすることが、最終的には時間を節約して経営資源を有効に活用することになります。