2012年4月3日火曜日

PFドラッカー365の金言より 233

<< 本文 >> 「企業とは何か」
人間社会に関わる事柄について重要なことは、「正しい」か、「間違い」かではない。「うまくいく」か、「うまくいかない」かである。常々言っていることだが、マネジメントは神学ではない。実学である。マネジメントの値打ちは、医学と同じように、うまくいくか、いかないかによって判断しなければならない。もちろん私は、基本的な価値、特に人間の価値を信ずる。しかし、唯一無二の答えというものは信じない。いかなる答えにも誤りがある恐れがある。少なくとも、あらゆる答えを試してみるまでは、その恐れがある。経営政策というものは、人が考えたものである以上、唯一絶対たり得ず、せいぜいの処、正しい問いを見つけるための問題提起に過ぎない。

(コメント)
この指摘は非常に重要だと考えます。得てして、考え抜いて得た結論を実行しようとするときに絶対に正しいと思い込んでしまう傾向があります。ある反面では、そう思えなければ成功するものさえ失敗してしまうことがあります。しかし、ここで大切なことは「絶対に正しい」と独善的にならないことが必要です。
まず何かをやり始めようとするときには、その「ことの善悪」を考えることが必要です。そして次に、それを実現する方法を考えるときには、何が正しいか、何は間違えかではなく、どうすれば上手くいくかと考える必要があります。最初にその目的を考えるときには「善悪の判断」は必要ですが、達成する方法を検討するときには「善悪」の判断ではなく、「どうすれば上手くいくか」の判断が必要です。同じ目的を達成するにしても、協力してくれる人達が異なり、顧客が異なり、地域も異なり、経営資源の貧富も異なる訳ですから、いかなる状況下でも絶対的に正しい方法というのはあり得ないのです。しかし、人間の性としてのリーダーの「思い込み」により、得てして絶対に正しいと考えてしまい、上手くいく方法を排除してしまう傾向があるので注意を要します。
これを防ぐには、「聞く」「聴く」「訊く」ことが必要であると考えます。

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