2012年4月4日水曜日

PFドラッカー365の金言より 234

<< 本文 >>  「明日を支配するもの」「知識労働者の生産性」
今日、知識はいかなる分野においても急速に変化している。そのため、知識労働者は自らの仕事に継続学習を組み込んでおかない限り、急速に時代遅れとなっていく。
しかも知識の専門家たる者は、同僚が何をしているかを知らなければならない。それぞれが別の専門領域にあり、連携して一つの成果を成し遂げるからである。従って、知識労働者は自らの専門領域について同僚に知らせる責任を持つ。特に専門領域において知識上の変化があったときに、このことが言える。
ということは、知識労働者たる者は、
第一に、自らの専門領域において知識の最先端にある為には自らが何を学ばなければならないか、
第二に、自らの専門領域とその貢献について同僚は何を知らなければならないか
について本腰を入れて考え、答えを出さなければならないことを意味する。

(コメント)
継続学習を続けなければ、知識が直ぐに陳腐化する時代であることは明らかであると思います。余り変化しないものと考えられていた法律でさえ、ここ数年で様変わりし始めています。社会保険労務士として業をなしていると、企業の総務担当者が一昔前の法律しか知らない場面をよく体験します。
また、パソコンを初め通信機器に関しての変化は目まぐるしいものがあります。
そして更に、先生がここで言われたいことは、「仕事は自分一人でできるものではなく、他に協力者がいて初めて成果があがるものだから、自らが継続学習を続けることは当然のこととして、更に協力者にもその変更点・改正点だけは連絡をしておく必要がある。その為には協力者が有効な協力者であるためには何を知っておく必要があるかを知らなければならない」ということだと思います。
例えば、私は社会保険労務士として業をなしています。社外から社内の人事・労務に関する仕事をサポートしている訳ですが、企業内部の情報が私に正しく伝わってこないと仕事ができません。その為、企業内部に私への連絡窓口を設けることを依頼しています。そして、私はその窓口になった人に私に伝えるべき情報は何であるかを予め伝えています。こうして業務を開始すると、後は業務処理を繰り返しながら、その窓口になった人に段階的に必要最低限の法律知識を教育していきます。
いま、ある企業の給与体系と評価制度の洗い直しを行っていますが、この場合にも、総務の2名(部長と課長)に対して約半年間に渡り基礎知識を教育します。こうして私に正しい情報が伝わる状態を創り上げたうえで、技術的な変更手続きを開始します。不思議なもので、このやり方を取ると、現在の2名もそうですが、副産物として経営者意識が芽生えてくるのです。私のスタンスは、「先生が来て教えてくれて新しいものを創ってくれる」(結論だけを求めるときにはこの方が早いのですが)というものではなく、「共に悩み、共に学習・研究し、共に創り上げていく」というスタンスです。こうすると時間はかかりますが、給与体系だけでなく組織の中で色々な新しい動きが起こり始めます。

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