2012年4月9日月曜日

PFドラッカー365の金言より 239

<< 本文 >>  「マネジメント・フロンティア」
従来の組織は「権限」に基礎をおいていた。これからの情報型組織は「責任」に基礎をおく。
情報を中心に組織を構築するには、誰が、どのような情報を、いつ、どこで必要としているかを考えなければならない。
情報型組織が必要とするのは、現場監督者からトップにいたる「自己規律」と「責任」である。
情報型組織は、組織内の個人および部門が、自らの目標、優先順位、他との関係、コミュニケーションに責任を持つときにのみ有効に機能する。そうしてはじめて迅速な意思決定と対応が可能となる。情報型組織の利点は、組織内に「相互理解」と「共通の価値観」、なかんずく「相互信頼」があって現実のものとなる。
演奏者一人ひとりが楽譜をもつためには、共通の言葉、共通の核がなければならない。情報型組織の場合、資本が唯一の核であるような多角化は、バブルの塔のように崩壊する。

(コメント)
情報を活用するためには、その情報を誰がいつ必要としているのかを知っておくことが必要です。情報は時間の経過と伴に陳腐化しますから、モノづくりと違って完成したモノが予め出来上がっていれば良いというものではありません。そのために組織内おいて「相互理解」が必要となることは言うまでも無いことです。
そして、情報は取捨選択され伝達されていきますから、組織内において「価値観を共有」しておくことが必要です。
そしてその為には、各自が自らの目標、優先順位、他との関係、コミュニケーションに「責任」を持ち、「自己規律」を保ち職務遂行をすることが必要となります。
その結果、現代社会では、企業は自立した意識を持つ従業員を育て、価値観を共有し、相互理解に努めさせる工夫が必要となります。
本文末尾の事例として、私の顧問先に土木建築・証券・コンピューターソフト・ゴルフ場を営む企業グループがありました。昔しは、企業名はそれぞれ別々でしたが、金融面では繋がっていました。しかし、創業者が死去して数年経ち、経済環境が悪化すると、それぞれの企業の価値観に差異が生じ始めました。結論としては、各企業の金融的関連性を絶ち、それぞれが自立した連邦型企業グループ(緩い関係)として存続・発展を図る道を選択されることになりました。創業者によって統一されていた価値観が分裂した結果ではないかと推測しています。

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