2012年2月2日木曜日

PFドラッカー365の金言より 173

<< 本文 >>  「マネジメント・・・課題、責任、実践」
「顧客は誰か」の問いこそ、企業の目的と使命を定義するうえで、最初に考えるべき最も重要な問いである。やさしい問いではない。まして答えのわかりきった問いではない。だが、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかが決まってくる。
最終需要者たる消費者は、常に顧客である。しかし、ほとんどの事業が2種類の顧客を持つ。その両方が買ってくれなければならない。生活用品のメーカーは主婦と小売店という2種類の顧客を持つ。主婦に買う気を起させても、店が品を置いてくれなければ何もならない。店が目につくように陳列してくれても、主婦が買ってくれなければ何もならない。一方だけでは売上につながらない。

(コメント)
最も重要な先生の教えだと私は考えています。
特に、事業規模が大きくなると色々な特性をもった顧客が増え、自社が「主たる顧客」と考えている顧客がわからなくなってしまいます。「主たる顧客」は単に売上高だけから決められるものではありません。売上数字は過去の数字であり、「顧客は誰か」と自ら考えることは未来に向かってのことだからだと思います。一時流行った「選択と集中」は顧客を明確にする処から始まります。
中小・零細企業はあれやこれやの顧客を相手にしなければ存続・維持できないと言われます。ましてや地方の中小・零細企業は尚更のことです。しかし、それでは成長するのに一定の限界があります。中小・零細企業は、あれやこれやの顧客に対応して少しずつ成長し、その過程で顧客が自社に期待することを考えて未来の顧客を創造していきます。そして、その過程では無視する顧客のニーズもでてきます。ということは「自社の顧客は誰か」ということを無意識のうちに行っていることになります。無意識のうちにやってしまうよりも、明文化し明確にすれば(間違っていれば修正すれば良い)より一層効果的に組織が活動し成長できるようになります。朝令暮改は悪いことではなく、止むを得ないことなのです。ましてや変更は必要なことなのです。

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