2012年2月3日金曜日

PFドラッカー365の金言より 174

<< 本文 >>  「マネジメント・・・課題・責任・実践」
目的と使命に取り組むうえで答えるべき究極の問いは、「顧客にとっての価値は何であるか」である。これが最も重要な問いである。しかし、最も問うことの少ない問いである。答えはわかっていると思い込んでてるからである。品質が価値だという。だが、この答えはほとんど間違いである。顧客は製品を買っているのではない。買っているのは、欲求の充足である。彼らにとっての価値である。
10代の少女にとって、靴の価値はファッションにある。流行っていなければならない。価値は二の次であって、耐久性など全く意味がない。ところが数年経って母親になると、ファッションが絶対ではなくなる。流行遅れは買わない。しかし、重視するのは耐久性、価格、履き心地である。10代の女の子にとって価値あるものが、その姉には価値が無い。
何を価値とするかは、顧客だけが答えられる複雑な問題である。推察してはならない。顧客の所へ出かけて行き、顧客に訊かなければならない。

(コメント)
昨日のブログに続いて、この先生の教えは大変に重要な教えだと思います。
①顧客が価値ありとするものは
②顧客だけが知っている
③しかも、年齢やその顧客の状況によってそれが変わっていく
④それを推察してはならない
⑤顧客の所に行き、顧客に直接訊くこと
が大切であると教えられているのではないでしょうか?
顧客が、他に無いからシブシブそれを買ったのか、喜んで買ったのかは売上数字からは分かりません。
昨日は20年ぶりに旧友が経営する建材屋さんに行きました。昔は沢山の従業員さんがいらっしゃったのですが、今は4人の従業員さんだけで維持しており、細々と辛うじて経営を維持しているそうです。サプライチェーンが発達して地方問屋に在庫を持つ必要がなくなった現在では、建材というモノだけを売っていると経営は維持できなくなってしまうと思います。
また昨日、地方の中堅企業である建設会社にお伺いしました。リストラの相談です。社長は技術畑のご出身で「良い建築物を建築するにはどうすべきかは十分に分かっている」と言われていました。しかし、社長が考える「良い建築物」が果たして顧客の価値ありとするモノ・コトを満たしているのか否かについては何も言われませんでした。
別の顧問先の中に電話交換機屋さんがあります。今時、電話交換機を知っている人も少ないと思いますが、一昔前までは中堅企業以上の規模では必需品でした。この企業の昔しは電話交換機を販売し敷設工事することがビジネスの中心でしたが、今ではIPフォンや携帯電話をパソコンと連動させシステムを構築することがこの会社のメイン・ビジネスとなっています。
企業は「変化適応業」であり、顧客のニーズは変化していくものだと思います。そして、最も厄介なことは、顧客自身が自分の真のニーズに気づいていないことが多いことです。そのため、顧客に直接に訊き、そこから専門家が推測し(顧客の半歩先を行って提案する)、それを顧客に確認することが一番必要な時代となっていると思います。だから数年前から、「仮説→検証→実行」が大切と言われているのではないでしょうか?
孫子の兵法に「必死は必死」とあります。拘り過ぎると、かえってそれが死の原因になってしまうという意味です。変化の激しい現代では、自分の過去の成功体験に拘り過ぎると死滅の遠因となってしまうことが多いようです。

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