2012年2月22日水曜日

PFドラッカー365の金言より 193

<< 本文 >> 「ネクストソサエティ」  (原文は少々解り難いと思ったので、多少加工しています)
全てを(自分の)傘下にしてしまうという一体化の公理が陳腐化した。原因は2つある。
①知識が専門化した結果、高価となり、自らが全てを賄うことが不可能になった。時折しか使わない知識は急速に劣化する。
②インターネットとe-メールのおかげで、コミュニケーション・コストが安くなった。その結果、あらゆる種類の事業活動において、提携(連携)が成果をあげる組織方法となった。

(コメント)
一昔前までは、できるだけ全てのことを内製化して一体化する方が良いと考えられていました。しかし、知識や技術が専門化し、かつ変化し続ける現代において、内製化してしまうと、その変化に対応しきれなくなります。反面では、インターネットの普及によって、コミュニケーションするために必要なコストがどんどんと安価になりました。その結果、自社にとってコアな部分は内製化するにしても、それ以外の部分は連携または提携して行う方が良い時代となっています。
私は社会保険労務士として色々な企業に経営や労務管理に関する事項のアドバイスをしていますが、先生のご指摘を痛感します。私の顧問先には、社内に総務担当者が10人以上いる会社でも私と契約して、社外からの意見を積極的に取り入れて行こうという会社が数社あります。人事労務に関する通常業務は社内の総務担当者がされていますが、私が法改正の動向を伝えたり、稀に個別労働紛争や懲戒処分の案件が発生すると私が担当しています。昨日はある会社の会長から次期社長の選任に関するご相談を頂きました。この次期社長の選任基準などは稀にしか使わない知識であり、かつ株式相続のほかに経営者として伝承すべき事項と法改正上の留意点などがありますから社内の判断だけでは十分な検討ができないためです。
これからは、全てのことを社内で処理できるように一体化してしまおうと考えるよりも、必要なときに必要な人と連携・提携して自らの目的を達成しようと考える時代となったことを痛感します。

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