2012年2月9日木曜日

PFドラッカー365の金言より 180

<< 本文 >>  「マネジメント・・・課題、責任、実践」
マネジャーは部分の総計を超える全体を創造しなければならない。それは、自らのビジョン、働き、リーダーシップによって、たくさんの楽器の音を統合するオーケストラの指揮者に似ている。
真の全体を創造するにし、全体としての成果と、それらの成果を実現するための多様な活動との双方を見なければならない。
マネジメントに携わる者は、
第一に、全体として如何なる成果の向上を必要とするか、そのためには個々の活動に何が要求されるのかを問い、
第二に、それらの個々の活動はいかなる向上が可能か、それによって如何なる全体の成果が可能となるかを問わなければならない。

(コメント)
組織は放っておくと「烏合の衆」となり、個々人の力を合わせたもの未満の成果しか挙げられなくなってしまいます。「1+1<2」となってしまう可能性があるのです。
ピーター・M・センゲ著「最強組織の法則」(徳間書店)では「一人ひとりの管理職のIQ(知能指数)が120を超えても、集団ではIQ63になってしまうことが何故起きるのか?」と指摘されています。
この状態になると、組織として活動するよりも、個人で活動した方が良い成果を生むことになってしまいます。何故ならば、ヒトが増える程、打ち合わせ他の余分な仕事や作業が増えてしまうからです。
マネジメントの役割は「1+12」となるような成果を生み出すことです。これを「テコの原理」と組織論では呼びます。マネジャーにとって「1+12」では不十分なのです。
しかし現実には、会社方針も計画も無く、だだただ個人が頑張って業績を挙げようとする会社が多いことには驚くばかりです。これでは「1+12」となることはあっても「1+12」となり得ることはあり得ません。
「1+12」となり得るためには、
①組織全体として達成すべき成果を明確にして
②その成果を達成するための個々人の役割を明確にする(役割分担)
③その上で、個々人のどんな能力を向上させることが可能か
④③の結果として組織全体としてどんな成果を向上させることができるか
を検討し、組織全体の成果を向上させることを実行することが必要なことです。
そうしなければ、個人に無理なことを要求する結果として組織目標が達成できなくなったり、個々人の活動が相殺し合うことも生じる結果、「1+12」となり得なくなってしまいます。

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