2012年2月17日金曜日

PFドラッカー365の金言より 188

<< 本文 >>  「現代の経営」
利益の最大化を唯一の目標にすることは間違いである。マネジメントとは、多様なニーズと目標をバランスさせることである。利益だけを強調することは、企業の存続を危うくするところまでマネジメントに誤りを導く。
その結果、今日の利益のために明日の利益を犠牲にする。売り易い製品に力を入れ、明日のため製品をないがしろにする。そうして利益の足を引っ張る投資を避けるようになる。
目標は、事業の存続と繁栄に直接かつ重大な影響を与える全ての領域において必要である。目標を設定すべき領域は八つある。
①マーケティング
②イノベーション
③生産性
④物的資金的資源
⑤マネジメント能力
⑥人的資源
⑦社会的責任
⑧利益
である。
これらのうち「鍵」となる領域は企業によって異なり、成長段階によって異なる。しかし、事業、業況、規模、成長段階の如何にかかわらず、目標を設定すべき八つの領域そのものは変わらない。

(コメント)
経済環境が厳しく競争が激化している現状では、短期的利益にばかり力を入れて長期的利益を考えない傾向がでています。企業内の人事評価においても、成果主義が失敗している大半の理由は短期的業績にばかり社員が目を向けて長期的業績改善に努力しなくなる点にあります。極端な場合には雪印、不二家、赤福ほかのように、短期的利益を偏重し社会常識・倫理を逸脱した結果、企業が存続え難くなる場合もあります。長期と短期のバランスをとることがマネジメントには必要であり、そのバランスのとり方がマネジャー(経営者)の価値観の現れとなります。そして、その際に必要な視点が8つあると先生は教えられていらっしゃるのではないでしょうか?
設備投資、人材教育投資などを行うと経費が増えますから短期的な利益は減ってしまいます。しかし、長期的な増益を考えるとこれらは必要経費なのではないでしょうか?この点に関して、単なる投資家と経営者の違いが決定的に鮮明になります。

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