2012年2月1日水曜日

PFドラッカー365の金言より 172

<< 本文 >>  「マネジメント・・・課題・責任・実践」
会社の事業は、社名や定款や設立趣意書によって定義されるものではない。顧客が満足させる欲求によって定義される。顧客を満足させることが、企業の使命であり目的である。従って、「われわれの事業は何か」との問いは、外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。顧客が見、考え、思い、欲しがるものを客観的な事実として、セールスマンの報告、技術者の実験、会計士の数字と同じように正面から受け止めなければならない。
顧客の心を読もうとするのではなく、顧客自身から直接答えを得るべく意識して努力しなければならない。

(コメント)
だから、「わが社は何を事業とする会社か」を考えるとき、最初にやるべきことは自分や社内で考えることではなく、まず現場に立って顧客に直接訊くことから始めることが必要です。そして、そこで体感(五感を使い感じ取ったこと)したことを元にして考えてみることが必要です。「わが社の事業は何か」を決めているのは社長ではなく顧客なのです。
昔しは街角に電気屋さんがあり、そこでテレビや冷蔵庫を買っていた時代があります(40年位前)。しかし、その後はそれらを買う時にはヤマダ電機のような大型電気量販店で買い、街角の小さな電気屋さんでは電球や蛍光灯が切れて急に必要となったものだけを買うようになりました。この時代には街角の電気屋さんとは別に家庭の電気の具合が悪いときには修理屋さんがありました。しかし、いま生き延びている街角の電気屋では電気の不具合やパソコンの不具合もある程度は修理し生活に密着することで生き延びているようです。街角の電気屋さんに顧客が期待することが時代とともに変わったのであり、その変化に対応できた電気屋さんが生き延びています。過去に私とご縁があった企業の中に街角の電気屋さんに製品を販売する卸問屋さんがあるのでよく判ります。そこでは、一昔前までは大型量販店に街角の電気屋さんが対抗できる商材を探すことが主たる目的でした。その後は、売り出し等の販売企画を提案し共同チラシをつくるボランタリーチェーン本部のように変化されました。そして、最近では街角の電気屋さんに保守(修理)技術を指導・教育することに力を入れられているようです。
そして何よりも大切なことは、「こうすれば顧客のためになる筈」と考える前に顧客にストレートに訊いてみることが大切です。ただし、顧客も自分がどうしてもらえたいのかが分かっていない場合が多いですから、色々な顧客に訊いて、次には自分で考えるしか方法はありません。その上で実行しながら修正を加えていき、顧客の真のニーズを探り出していくことが必要だと思います。その為、考えても実行していなければ意味のないことになってしまいます。

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