2012年2月26日日曜日

PFドラッカー365の金言より 196

<< 本文 >> 「新しい現実」
長期的な「気候」は安定的であり予測可能である。しかし、短期的な「天候」は不安定であり予測不能である。複雑なシステムにおいては、短期的には何事も外生変数として除外することができない。短期的な現象にはシステムは無い。短期の現象にあるのは混沌である。

(コメント)
先生がここで言われる「システム」とは、「こうすれば、こうなる」・「必然性」「理論・法則」などというものだとご理解ください。
昔し、私はファッション業界で卸問屋を営んでいました。この頃にコンサルタントから「短期の流行に振り回されずに、長期のトレンド(傾向の変化)に上手く対応していくことが大切です」と教えられていました。短期の流行を追い求めようとすると、変化に振り回されて自らの強みを見失ってしまうことにもなりかねません。マネジメントには、「長期のトレンドを踏まえて短期の変化に対応する」ということが必要だと考えます。
会社の調子が悪くなると、どうしても目先(短期)の業績(利益)を求めてしまいます。しかし、短期の業績には法則性・必然性はありません。すべてが突発的・偶発的なものです。その結果、自らを見失うという坩堝(ルツボ)に嵌(ハマ)っていくのです。会社を再建しようとする際には、まず長期のトレンドを見据えることで方向性を間違えないようにしなければなりません。
中国の道教という教えに「無為」というのがあります。これは「何も行わない」という意味ではなく、「流れを活用して自らの目的を達成する」という教えです。短期間の流れは変幻自在に変化して捉えようがないことが多いのですが、長期間の流れはある程度の法則性があるものです。従って、その法則性を見抜き利用することが大切です。この教えを早くに知っていれば、私も会社を倒産させずに済んだかもしれません。
複雑で変化の激しい現代では、長期のトレンドを考え対策を講じていくことが大切なことだと考えます。

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