2012年2月19日日曜日

PFドラッカー365の金言より 190

<< 本文 >>  「チェンジ・リーダーの条件」
企業活動の目標は、富の創出能力を最大化することである。その責任は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会の利害をバランスさせてマネジメントすることではない。トップマネジメントの責任は、「富の創出能力」を最大化させることである。
「富の創出能力の最大化」こそ
①短期と長期の成果を統合し
②マーケティング、イノベーション、生産性、人材育成などの事業上の成果を財務上の成果に結び付けるものである。
そして、この目標こそ、株主、顧客、従業員などあらゆる利害関係者を満足させるうえで必要なものである。

(コメント)
この先生の教えの中には明らかに論語の「中庸」の考え方が入っているような気がします。
利害をバランスさせようと中途半端な妥協をすることではなく、「AもBも最大化しよう」と両極を極めたうえで「第三の道」を見つけ出し両方を打開させようとすることがトップマネジメントには必要であると言われているようです。
そして、「長期」も「短期」も「富の創出能力を最大化させる方法」(A or Bではなく、A and Bの考え方)を模索するのがトップマネジメントの役割であると言われたいのではないでしょうか?
韓国のサムソン電子は、10年前には3流のメーカーでした。しかし、積極的に教育訓練、設備投資、研究開発等を続けて、日本企業が目先の利益に右往左往している間に、富の創出能力の最大化に努め世界の冠たるメーカーに成長しました。いま、自動車産業ほかにおいても同様のことが起こり始めています。
手に入れた富を如何に分配するかは大変に重要なことですが、顧客、従業員、取引業者、株主、金融機関、地域住民ほかの関係者を一層満足させるためには「富の創出能力」を高めることがもっと重要なことになります。そのためには、「今日の利益」(短期)と「明日の利益」(長期)のバランスを取るのではなく、それぞれを最大化できる対策を講じることが必要となるのではないでしょうか?

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