2012年3月3日土曜日

PFドラッカー365の金言より 202

<< 本文 >> 「経営者の条件」
リーダーにとって重要なことは、人を変えることではない。人のもつあらゆる強み、活力、意欲を動員し、全体の能力を増大させることである。そのためには、その人がもつ最大の「強み」に焦点を合わせ、その強みの発揮の妨げとならない限り「弱み」は関係ないものとして無視しなければならない。
リーダーと普通の人達との差は一定である。リーダーの仕事ぶりが高ければ、他の人の仕事ぶりも高くなる。集団全体の仕事ぶりをあげるよりも、リーダー1人の仕事ぶりをあげる方が易しい。従って、リーダーの役割の一つとして、その組織の標準を設定し定める役割があるが、これはリーダーにとって重要な役割である。

(コメント)
本文を多少カスタマイズしています。
この本文前段は注意すべき事項です。リーダーの役割とは、その組織全体の成果を増大させることであり、その中の一人の「弱み」を是正させることではないのです。人間には必ず弱みがあるものです。そのため、他の人または他の方法を用いることにより、その人の弱みを意味の無いものとしてしまえば良いのです。リーダーが最後まで拘るべきは成果であり、その人の性格や行動を矯正することではないのです。
また、リーダーはその組織の標準を決める立場にあるという考えも重要な考えです。リーダーが定めた標準の水準が低ければ、その組織の成果も低いものとなってしまいます。トヨタのQC活動では常に標準を現状よりも少し高い所に設定していくことでカイゼンを繰り返していったと聞き及びます。リーダーが低水準の標準で妥協すると、その組織の成果は低水準なものとなってしまいます。そのため、リーダーと一般の人の差は常にあり、リーダーが一般の人の目線と同じ水準でモノゴトを考えてはならないのです。アメリカの巨大企業GEを立て直して有名になったジャック・ウェルチ氏の言葉に「大胆なストレッチ目標(≒チャレンジ目標)をたて、手近かで明確な少数の具体的な目標を設定し、その目標に集中することで、シンプルに、かつ確実・着実に実行し、前進を続ける組織を創る」というのがあります。

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