2012年3月29日木曜日

PFドラッカー365の金言より 228

<< 本文 >> 「明日を支配するもの」
知識労働にも肉体労働の部分がある。
自動車工場のベルトコンベアー上の作業をする肉体労働者の生産性を向上させたアメリカ人(テイラー)による生産性向上の方法は、極めて簡単だった。仕事を動作に分解して、それらの動作に要する時間を測定する。その上で、無駄な動作を捨てる。残った動作を、肉体的心理的に負担をかけずに短い時間で行えるようにする。それらの一新された動作を組み立て直す。仕上げとして、それらの動作に必要な道具をつくる。
このテーラーの方法は、今後とも肉体的労働が成長分野であり続ける国において、大きな役割を果たし続ける。だが、先進国にとって、中心の課題はもはや肉体労働の生産性向上ではない。知識労働の生産性向上である。
しかし、知識労働にも肉体労働の部分がある。それらの生産性向上にはテイラーの発展型としてのインダストリアル・エンシニアリング(IE)が必要とされる。
知識労働者も、自分の仕事を知識集約的な部分とそうでない部分に分け、後者の部分にはIEの手法を適用していくことが必要である。

(コメント)
私は、毎日行っている職務には、「仕事」としての部分と「作業」としての部分があると考えています。仕事とは人間にしかできない「考える」「決める」「コミュニケーション」等が必要なことを言います。そうでない部分を作業と呼びます。作業は出来る限り機械化(例えばパソコン処理、ロボット化)をして、人間にしかできない「仕事」の部分を行う時間を創り出す工夫をしましょう、とお勧めしています。
しかし、残念ながら前記「仕事をしている間」は、側目に観ると仕事をしていないように見えてしまいます。反対に「作業」をしていると仕事をしているかのように観えます。その結果、作業をすることで仕事をしているようなフリをする輩が続出することになってしまいます。悩み解決しなければならない問題・課題は放置して、作業に逃げ込み、問題や課題を解決するタイミングを先延ばしにしてしまうのです。
これを防ぐには、問題に対する意識を鮮明にして、解決すべき問題・課題に優先順位をつけ、時間配分を明確にしたうえで集中(期限を設定)して問題・課題の解決を図るようにし、作業は空いた時間に行う習慣づくりを心がけるしかないのではないかと思います。

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