2012年3月12日月曜日

PFドラッカー365の金言より 211

<< 本文 >>  「非営利組織の経営」
やり直しのきかない最も難しい人事がトップの承継である。それはギャンブルである。トップとしての仕事ぶりは、トップをやらせてみなければわからない。トップへの準備は、ほとんど行いようがない。
トップの承継にあたって前向きな方法は何か? それは仕事に焦点を合わせることである。これから数年、何が最も大きな仕事になるか? 次に候補者がどのような成果をあげてきたかを見る。こうして「組織としてのニーズ」と「候補者の実績」を合わせれば良い。

(コメント)
トップの後継者選びは判らないことだらけです。
中小・中堅企業の場合には、次のトップを誰にするかという問題は、経営能力以外にも相続の問題もあります。相続の問題は税理士に相談すれば適切な対策を立ててくれるでしょう。
しかし、誰を次のトップにするかは経営者自身が決めなければなりません。大変に重要な問題ですから、「自分がトップに就任すると同時に次期トップの選別を始めなければならない」と言う人が居る位です。
商工会議所などでは10年計画を立ててトップの承継をするよう勧めています。即ち、「選ぶ」のではなく、素養のある人物に教育・訓練をして「育てる」ことが必要となるのだと考えます。
また、息子だから、長男だからという理由だけで次のトップに使命することは必ずしも本人の幸せにはならないということも肝に命じておくべきことだと思います。日本では江戸時代から、商家が跡取りを決めるときには、長男だから、とか、息子だからという理由だけでは跡取りにしなかった慣習があります。無能な長男や息子には生活に困らない方法を講じて資産を分割し商家の経営には口出しさせないようにして、経営権は有能な人材に委ねるようにしたそうです。こうして老舗は維持され発展してきたという歴史があります。

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