2012年3月16日金曜日

PFドラッカー365の金言より 215

<< 本文 >>  「未来への決断」
社会貢献活動においても、本業を見失わないことが大切である。
資本コスト以上の利益をあげられない企業は、社会的に無責任である。社会の諸資源を浪費している。利益とは、それがなければ他のいかなる責任も果たせず、よき雇用者にも、よき市民にも、よき隣人にもなれないというものである。
だが、経済的な利益だけが企業の唯一の責任ではない。組織なるものは、従業員、環境、顧客、その他何者に対してであれ、自らがかかわりをもつあらゆるものに対して与えるインパクトについて責任がある。それが組織の社会的責任である。
加えて社会は、社会の病そのものに取り組むことも組織に求める。ただし、この点に関しては慎重でなければならない。意図が良くとも社会的責任を果たしたことにはならない。本来の目的を遂行する能力を傷つけるような責任を受け入れたり、買って出たりすることは無責任である。能力のない分野で行動することも無責任である。

(コメント)
本来の役割を果たしたうえで、それを上回る社会貢献をするのならば良いが、本来の役割を果たさずに社会貢献を図ることは無責任であるという意味だろうと思います。
企業の役割・責任とは、資本コスト(給与以外に減価償却・銀行金利・株主配当ほかを含む)を上回る利益をあげることです(中長期的に利益をあげること)。ただし、資本コストを上回る利益を上げる行動を企業がとることに伴い生ずる社会的インパクトに配慮することも必要です。
社会は企業に色々なことを要求してきますが、資本コストを上回る利益を上げること、および社会的インパクトに配慮することから逸脱し、それらを阻害するようなことまでを企業は引き受けてはならないのです。
常に、「自らが果たすべき役割」を認識し、その責任を果たすことが大切であると先生は言われています。しかし、日常生活においては、人間関係やその場の雰囲気から、ついつい惰性に流されてしまうことが多いので注意したいものです。

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