2012年3月28日水曜日

PFドラッカー365の金言より 227

<< 本文 >>  「未来への決断」
人はコストではなく資源である。
働く人達こそ同僚であり、主たる資源であるとの私の考えに、最初に敏感に反応してくれたのが日本企業だった。真の生産性は、働く人達にそのような敬意をもつときにもたらされる。
人はコストではなく資源である。共有する目的に向けて共に働くとき、大きな成果が得られる。マネジメントとは地位や身分ではない。かけひきでもない。仕事、生活、人生にかかわることである。
成長するものとして人を見ることが大切である。そして、共に学ぶことが大切である。学んだことを使えるようにすることが必要である。

(コメント)
全く同感です。
経営相談に応じるとき財務分析をしてアドバイスをしますが、このときに「人件費比率」という言葉をよく使います。この時、私はいつもこの言葉に後ろめたさを感じています。人件費とは人はコストという考えを元にしたものだからです。
私は基本的に「人は成長・変化するものである。だから教育訓練をして能力を高めることが必要である。給与・賞与は、成果を分かち合う手段であると同時に、そのための投資の一部である」と考えているからです。その意味では給与や賞与の一部は投資であると言えます。投資ですから、人選、方向性、方法、時機を間違えて教育訓練投資するとリターンは少なくなります。教育訓練と言えどもON-JTがベースとなります。OFF-JTはON-JTでは補えない部分を補う方法に過ぎませんから、ON-JTを行う習慣がない企業が従業員にOFF-JTを受けさせても効果はあがりません。仕事をしながら教育訓練をして、そのときに「人としてのモノゴトの考え方(人生や生活)」も自然と教育していくことが大切です。人生や生活について教えることなく仕事のこと(技術的なノウハウ)だけを教えていると、人間として偏った人間になってしまいます。ときには論語のような古書をひも解いてみることも必要になります。人生や生活を押し付けるのではなく、自らで悟らせていくことが大切なのです。最近の企業動向を見ていますと、景気が低迷する中で競争が激化している結果、これをするユトリと心構えがなく、人を使い捨てのように使い捨ててしまっている企業(人をコストとしてだけ見做している)をよく目にしますが、これでは早晩企業は行き詰ってしまいます。銀行など金融資本と民間経営者の一番の違いはここにあるような気がします。

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