2012年3月10日土曜日

PFドラッカー365の金言より 209

<< 本文 >>  「非営利組織の経営」
(他の人に)働いてもらっているのは、できないことのためではなく、できることのためである。(他人に共働してもらうときには、その人の「強み」に焦点をあわせなければならない)。
第二次大戦中、陸軍の参謀長を勤めたジョージ・C・マーシャル将軍は、最高の人事を行い続けたことで有名である。彼は600人の将校を司令官や参謀に任命していった。しかも、実践を指揮した経験をもつ者はほとんどいなかった。
「何某大佐は兵士の訓練は最高ですが、上官とうまくいったことがありません。将官に昇進させ、議会で証言させる必要が出てきますと大変です。きわめて無礼な男ですから」との副官の指摘に対して、「任務は何か? 訓練か? 訓練が一流なら昇進させよう。その後のことは私が引き受ける」といったという。
こうして彼は、ほとんど間違いを犯すことなく、わずかの期間で1300万人という史上最大の軍事力を組織したのだった。ここから学ぶべき教訓は、「強み」に焦点を合わせよである。
マーシャル将軍は、人事で5つの手順を踏んでいた。
①仕事の中身をつめた。
②数人の候補を検討した。
③候補者全員の(過去の)実績から、それぞれ強みとするものを探した。何ができないかは重要ではない。強みを見て、その強みが仕事の中身に合致しているかどうかを見た。成果は強みによってもたらされる。
④候補者自身と話しをしただけでなく、候補者それぞれと一緒に働いたことのある者数人と話しをした。重要な情報は(その人の)上司や同僚から得られることが多い。
⑤任命した者に仕事の中身を理解させた。そのための良い方法が、何をしなければならないかを徹底して考えさせ、3カ月後に書面で申告させることだった。

(コメント)
顧問先企業で次期社長を選任しつつある会社があります。親族にバトンタッチするまでのつなぎの社長なのですが、迷いに迷われています。どの候補者にも一長一短があるのです。ここで私は上記の先生の言葉を引用しました。
特に、
①会社の問題・課題を現社長が整理し直してみること
②候補者それぞれの「強み」を改めて把握すること
③「強み」を正しく認識できるように、その人の昔しの同僚や上司から話しを聴いてみること
④候補者達に会社の現状の問題・課題にどう取り組むべきかを真剣に考えさせること
を強調しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿