2012年3月14日水曜日

PFドラッカー365の金言より 213

<< 本文 >>  「創造する経営者」
人事には、優れた人事と間違った人事があるだけである。
米国の自動車会社GMのCEOであるスローンは「私にはヒトを見分ける力があると思われるかもしれないが、そのような者がいる訳ではない。しかし、ヒトを見分ける力はなくとも、人事の誤りを少なくすることはできる」といっていた。
GMの役員会でも、人事でもめるのは常だった。ところがあるとき、全員が、これでまであらゆる危機と問題を切り抜けてきたある候補者を支持した。するとスローンは、「スミス君の実績は大したものに見える。しかし、そもそも彼は、どうしていつも問題に引きずり込まれるのか?」と訊いた。するとスミス氏を支持する声は消えた。
逆にあるとき、スローンが「ジョージ君のできないことばかり取り上げているようだ。彼がしたことの結果はどうだったのか?彼が得意なのは何か?」と訊いた。そこで説明を受けたスローンは「切れる訳でも冴えている訳でもない。しかし実績はあげているようだ」と言った。その後、このジョージ氏が、ある大事業部の事業部長として難局を乗り切ったのだった。

(コメント)
経営には「正解を得る法則は無い」が「行ってはならないことの法則は幾つかある」と言われます。経営の一部である人事に関しては、真さにそれが言える処です。
人事の誤りを防ぐために、その人物の表面的なコトだけを見るのではなく、その人物の本質的な資質を見抜くことが大切です。しかし、これが難しいのです。
本文の「何故、スミス君はいつも問題に巻き込まれるのか?」という質問は本質を突いていると思います。
論語では「その人の過去の過ちを看れば、その人の人柄がわかる」と教えています。
PFドラッカー先生は、人物評価をするときには「能力」ではなく「真摯さ」を重要視するよう教えています。その上で、その人の「強み」をもって現在の問題・課題が解決できるか否かを考えるべきであると諭されています(「弱み」を注視しないこと)。

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