2012年1月5日木曜日

PFドラッカー365の金言より 145

<< 本文 >>   「断絶の時代」「ポスト資本主義社会」「すでに起こった未来」
あらゆる組織が、自らの「目的」とするものを明確にするほど力をもつ。
評価の基準となる明確な「尺度」をもつほど大きな成果をあげる。
自らの存在の正当性の基盤を「成果」におくほど正当性を高める。
「実りによって彼らを知れ」との言葉こそ、多元社会の原理とすべきものである。
今日、企業以外の組織がマネジメントを学ぶために企業に学ぼうとしている。しかし、このことは企業以外の組織が、企業のマネジメントをそのまま移植できることを意味しない。それどころか、それらの組織が企業から学ぶべきことは、マネジメントは「目標の設定」から始まることであり、企業以外の組織は企業とは異なるマネジメントを必要とするということである。
企業以外の組織が企業にマネジメントの基本を見出そうとしていること自体は正しい。企業は例外としてではなく最も集中して研究されてきた。企業には「利益」という尺度がある。企業以外の組織は、企業にとっての利益に相当する尺度を必要とする。言い換えるならば、利益とは、組織のマネジメントに不可欠な尺度の手本たるべきものである。

(コメント)
PFドラッカー先生は「利益とは活動の成果であり、明日のための原資となるべきものである」と考えられています。従って「正しく儲ける」ことは必要なことであり、「儲ける」ことは後ろめたいことではありません。日本の誤った考え方に「武士は喰わねど高楊枝」というものがあります。明治時代に発祥したと言われるこの考え方は負け惜しみに過ぎず、江戸時代以前の武士は戦費を賄うために兵糧(経済財政)を熟慮して戦略を練っていました。豊臣秀吉翁は、人命を大切にする考えから武力衝突を避け兵糧攻めにして城攻めをしていました。
私は昔から、「売上高はお客様がどれだけ満足したかを教えてくれる指数、利益額は自分達がどれだけ正しい努力したかを教えてくれる指数」だと考えています。
これら売上高や利益額のように自らの活動の成果を計る尺度がなければ組織は上手く機能しなくなります。昨年に相談されたNPOさんの理事には、理事会が纏まらないのはその為だと教授しました。
また、先生は「マネジメントは目的を明確して、目標を定めることから始まる」と言われます。しかし、「うちの会社には方針がない」ということを若い人からよく聞きます。社長が方針を明確にしないのであれば、上司か自分自身が方針を明確にすれば良いのだと私は考えます。方針を明確にしない社長や上司と言えども、部下が自ら方針を立てて行動しているとき、もしその方針や行動が社長や上司の方針と異なるときには異議を唱え始めます。その意義の中から、暗黙知としてしまっている方針を嗅ぎ取っていけば良いのです。「間違っていたら嫌だから目的は言わずにおこう」と考えるのではなく、日々環境が変わるのがビジネス社会の常なのだから、状況が変われば目的や目標も変えざるを得ないこともある。しかし、今現在の目的や目標を不明確にすることは企業の力を結集することの弊害となるから、間違っていても良いから今現在の目的と目標を明確にしようと考える方が良いと思います。状況や環境の変化だけでなく、企業の成長と伴に企業の目的も成長・変化していくものですから・・・。
私は職務上、就業規則の作成を依頼されることがあります。私がつくる就業規則の第一条は企業理念(又は目的)です(拒否されない限り)。しかし、ご依頼される企業の中には企業理念(又は方針)というものが明確にされていない企業の方が多い実態です。いままで業績を上げることに全力が尽くしてこられたから、企業理念とか目的などを考えるユトリが無かった企業さまが多いのです。このとき、私は社長や従業員さんとコミュニケーションしながら、または応接間や社長室に飾られている額縁の中から、その企業の企業理念又は方針のたたき台を創ります。そのたたき台を見せると、初めて社長や会長は「ここが違う」「こんな意味のものは付け加えられないか」とかいう意見を言われ始めます。こうして企業の暗黙知を探り社内で共有できるようにしていきます。そして、時期が来て変更が必要になったときには再度検討してもらいます。
さあ、年初です!! 今年の目標を再確認して、具体的な計画を組み立てましょう!!

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