2012年1月30日月曜日

PFドラッカー365の金言より 170

<< 本文 >>  「現代の経営」
技術の発展はマネジメントの領域を拡大する。一般社員とされている人達の多くがマネジメントの仕事を行わなければならない。あらゆるレベルにおいて、責任、能力、ビジョン、リスクの選択、マネジメント手法、ヒトのマネジメント、意思決定能力に対する要求が増大していく。
新技術は最大限の分権化を要求する。中央の計画によって経済を運営すべく、自立した企業の自由なマネジメントを避ける社会は全て滅びる。責任と決定の権限をトップに集中する企業も同じ運命をたどる。
環境変化に対応できない小さな中枢神経によって、巨大な体をコントロールしようとした恐竜と同じように滅びる。

(コメント)
自立した社員を育てる必要性と会社理念・方針を徹底させる必要性が説かれる根拠はここにあります。
不規則で激しい環境の変化が続く現代において、またパソコンやインターネットが普及した現代において、中央集権的な組織運営をしていたのでは環境の変化に適応できなくなってしまいます。そこでは分権化が必要となり、また分権化が行われるから一般社員にまでマネジメント能力が要求されるようになったのです。役職者でない一般社員がプロジェクトのリーダーに選任され、プロジェクトのマネジメントを行わなければならないことは日常茶飯事です。また更に、プロジェクトではないにしても、それぞれの仕事が専門化した現代においては人間一人ができる仕事の範囲には限りがありますから、関係者を巻き込むことで自らの目的を達成することが必要かつ不可欠となっています。この状況下において、巻き込んだ人達をマネジメントする必要が生じてきます。
そして、会社が組織本来のメリットを活かすために「力の集結」を図ろうとすると、会社理念・方針を社員に浸透させることで、会社の方向性(基本戦略)を示し、各自のマネジメントの方向性を束ねていくことが必要となったのです。
そして、その為には「これをしろ・・・」「あれをしろ・・・」という命令ではなく、結果として従業員とのコミュニケーションが重要になる考え、従業員を自立させていくことが必要となっているのだと思います。そうしなければ、会社は不規則かつ急激な変化を続ける環境に適応できなくなってしまいます。

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