2012年1月14日土曜日

PFドラッカー365の金言より 154

<< 本文 >> 「産業人の未来」・・・・・原文では「社会」となっている箇所を「会社」と置き換えました。
一人ひとりの人間が、会社内での位置づけと役割を与えられなければ会社は成立せず、大量の分子が目的も目標もなく飛び回るばかりとなる。他方、権力に正当性がなければ、絆としての会社が存立し得ない。それは単に奴隷制、あるいは惰性が支配する真空が存在するだけとなる。
そのため、会社が機能するためには、秩序を組織化することができなければならない。物質世界に秩序を与え、それを意味あるものにし、会社の権力(=マネジメント)に正統性を与えることができなければならない。権力に正統性がなければ絆としての会社はあり得ない。
マネジメントがもつ権力の正統性の根拠は、
①人の強みを活かし、
②組織で人の弱みをカバーすること
である。

(コメント)
永年、この先生の教えは余りも当然なことなので重要視していませんでした。しかし、色々な企業でご相談を頂き、この教えの「絆としての会社」という言葉のもつ意味の重要性に気づきました。
会社で必要なことは
①目的を明確にして、目標をたてること
②その目的・目標を達成するために、各自の役割と位置づけを明確にして、日付が入った計画をたてること
③上司の指示が守られ実行されるためには、その指示が部下の強みを活かし弱みを組織力で補う指示であること
が必要であると先生は教えられたいのではないでしょうか?
「当然のことダ」「そんなこと知っているヨ!! 」と言えばそれまでですが、実務で中堅・中小企業の人事労務を中心とした色々なご相談を承っていると、「忙しい」ということを理由に上記①~③が出来ていないため発生している相談事項が多いのが実態です。だから類似した問題が再び発生するという「もぐら叩きゲーム」のような状態になっているのではないでしょうか?
「大量の分子が目的も目標もなく飛び回るばかり」の状態では、決して「絆ある会社」とは呼べないと思います。

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