2012年1月22日日曜日

PFドラッカー365の金言より 162

<< 本文 >>  「傍観者の時代」
傍観者には、役者と観客には見えないものが見える。傍観者は自分の目で見、自分の頭で考える。
何をすべきか、何がなされるべきかを知る為に、敢えて傍観者になることが必要である。そして、その上で行動することである。ただし、人を驚かせないように気をつける必要がある。

(コメント)
大変に難しいことです。しかし、特に経営者(マネジメントする人)には必要なことです。
私流に表現すると、マネジメントしているとツイツイ自分の思い込みが入ってしまい主観的になる傾向が強いので、『決断し行動する前に一度は自分を第三者的にとらえて、全体の状況を客観的に鳥瞰し、そのうえで決断することが大切である』となります。
私は昔し小さな会社の経営をしていました(倒産しましたが)。その頃を振り返ってみると、当時は自分が環境の中にドップリと浸かってしまい、その上で主観的に判断をし、情熱と勢いと行動していました。その結果、前後左右には予め見えていないこと(気付いていなかったこと)が沢山あり、後でシマッタ!!と後悔することが多かったような気がします。仮に成功しても、自分の当初の期待とは違う成果となることも多々ありました。
そして、現在は特定社会保険労務士の看板を掲げてコンサルタントのような生業を営んでいます。この立場になると、主観、情熱、勢い等だけで活動する訳にはいきません。いまでは、何か大切なアドバイスをする際には、一晩おいて考えます。一晩の間をとることで、頭の中で熟成させるのです。そしてその際には、自分をAさん、相談者をBさんと匿名の第三者に置き換えて、鳥の眼で空から見るように状況分析と相談者の意図とを熟慮するようにします。必要な場合には体系図式化してみることでモレとダブリを防ぐようにします。
ただし、その後に相談者が決断したら、後は情熱と勢いをつけて一機に行動を開始します。
大手有名企業の経営者はコーチングを受けている経営者が多いこと、社外取締役の重要性が社会的に認識され始めていること等は以上のようなことを元にするからではないでしょうか?
「論語と算盤」の中に「小事は分別せよ、大事に驚くことなかれ」とあります。分別し、驚かないためには、一時は傍観者に敢えてなってみることも必要です。

0 件のコメント:

コメントを投稿