2012年1月11日水曜日

PFドラッカー365の金言より 151

<< 本文 >>   「マネジメント・・・課題・責任・実践」
ヘンリー・フォード(米国フォード自動車の創業者)は事業にマネジメントは必要ないとの信念ゆえに失敗した(一時は倒産しそうになり、その後ヘンリーフォード二世によりマネジメントが必要とされ同社は再生された)。
ヘンリー・フォードは、事業に必要なものは、オーナー起業家とその助手だけであるとした。いかに有能な部下であっても、自らがマネジメントとして行動し、自らが意思決定を行い、ヘンリー・フォードからの命令なしで行動した者をクビにするか左遷するという彼の行動は、自らの信念の間違いを証明する実験となった。
彼が失敗したのは、自らの性格や気質のためではなかった。マネジメントを「機能」と「責任」に根ざすものとして受け入れることを拒否したためだった。
あなた自身、従業員を助手としてしか扱わない経営者となっていないか注意すべきである。

(コメント)
この指摘は正しいと思いますが、企業規模にもよると考えます。業種にもよりますが、30人未満の企業であれば経営者一人が率先することで従業員を引っ張っていくことが可能です。この段階までは助手としての従業員がいれはコト足ります。しかし、この規模を超えると、個人で引っ張っていくことに限界がきて、組織としての役割・役割の分担とそれを管理・コントロールするノウハウが必要になります。
組織とその運営に用いるノウハウは、丁度、子供と洋服の関係のようなものだと私は考えています。子供に大人の洋服を着せると、着ることはできますが大きすぎて無駄が多く、また、大人に子供の洋服を着せようとしても無理です。組織経営とその運用のため用いるノウハウはこの関係に似ているのではないでしょうか? 成長を続ける企業は、現在の自分より少し大きめな洋服(=ノウハウ)を着るし、老衰期に入った企業は現状を維持する程度の洋服を着ていることが大切ではないでしょうか?
企業経営で用いるノウハウは、その企業規模とともに変化していくものであり、時によっては、毛虫がサナギになり、サナギが蝶々と変貌するかのごとくに変貌することも必要となると私は思います。従って、大企業は大企業なりの、中堅・中小企業は中堅・中小企業なりの、また零細企業は零細企業なりの経営ノウハウを活用することが大切だと考えます。そのため、中小企業が大企業の真似をするのは止めた方が良いとも考えます。
そして将来のためには、従業員を単なる助手として扱うのではなく、将来のパートナーとして教育・訓練していくことが経営者には必要なことだとも考えます。
しかし、これが、出来そうで中々出来ないのが人間の性のようです。毛虫がサナギとなり、サナギが蝶々と変貌するにはかなりの時間と自己改革が必要となります。

0 件のコメント:

コメントを投稿