2012年1月9日月曜日

PFドラッカー365の金言より 149

<< 本文 >>    「創生の時」「すでに起こった未来」
今日の社会と組織では、ますます多くの人が、技能ではなく知識によって働く。知識と技能には基本的な違いがある。技能は余り変化しない。知識は変化する。自らを陳腐化させる。しかも急速に陳腐化させる。従って、知識で働く者は自らを再生させていかなければならない。
そして、継続と変革の両立を社会と文明にかかわる中心の問題として捉え、自らを進歩保守主義者、あるいは進歩主義者と見做すことが必要であり、保守保守主義者や進歩進歩主義者とならないことが大切である。

(コメント)
先生は「継続学習」の勧めを説かれています。
確かに、モノづくりの工場においても生産が機械化・システム化されマニュアル化されましたから、永年の修行・徒弟を要する仕事は減り、知識に基づく仕事が増えています。「巧の技」を要する仕事は減り、更に「巧」でなくても仕事ができるように「標準化」「見える化」が進められています。そのため技能を習得していることよりも、知識を体得していることが大切になっています。しかし、知識はすぐに陳腐化してしまいます。特にコンピューターの発達により、その陳腐化は加速されています。
そのため、継続的な学習が必要不可欠になります。そして、継続的学習のためには、昨日までのやり方・考え方に拘り過ぎない進歩的保守主義あるいは保守的進歩主義になることが大切です。
生産に限らず、経理・財務・在庫管理ほかの間接部門においても機械化・システム化が進展しましたから、昔しのような熟練者は不要になりつつあります。
ただし、変化する人を相手とする「営業」「労務管理」に関しては機械化・システム化は遅れています。最終的には「人間の心理」を相手とするこれらの職種では、孫子の兵法に色々な組み合わせがあるように、知識だけではどうにもなりません。機械化・システム化あるいはマニュアル化するにしても限界があります。これらの職種においては必ずしも「1+1=2」とはならないのであり、知識に体験・経験を加えて智慧に変える必要があります。
しかし、この分野においても、「人間心理」「脳医学」「行動科学」などの研究は日進月歩ですから、継続的学習か必要不可欠なものであることに変わりはありません。古代コペルニクスの時代のように、それまで当然として受け入れられていた「天動説」がある日突然に「地動説」に変わる時代ですから・・・。
最終的には「顧客は現在と近未来において何を求めているのか」を考え、その考えに照準を合わせ継続学習することが大切ではないかと考えます。

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