2011年12月3日土曜日

PFドラッカー365の金言より 112

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現在行っていることの廃棄は体系的・計画的に行わなければならない。さもなければ、先送りされてしまう。廃棄に人気のある筈はない。
月に一度、既に行っていることの廃棄や、新しいことの開始についての決定を組織全体に周知させることが必要である。

(コメント)
痛感します。
いま国交省から建設業法に関する指導をうけ是正しようとしている会社のお手伝いをしています。この会社では最近、取引上の不正疑惑も発生しました。国交省の指導に従い、かつ不正疑惑の再発防止のためには、結論としては従来の仕事のやり方(役割分担)を根本から新しくせざるを得ないのです。
国交省の指導に従うだけであれば、法律が指定する書類作成事務を増やせば良いのですが、事務量が増えることに違いは有りません。従って、新たに書類を増やすことで不要になる従来の書類は無いのかを確認し廃止することが必要となります。
しかし、取引上の不正疑惑を防止するためには、書類を増やすだけでは不十分です。会社内の役割と責任の分担を変え仕事のやり方を変えることが必要となります。
当初は国交省の指導に従うために書類を増やすことだけに専念していましたが、結果的に会社内部の役割と責任の分担を体系的に洗い直し計画的に是正することが必要となりました。
このように考えると、今回の国交省の指導と取引上の不正疑惑事件とは、この会社にとって会社組織全体を体系的・計画的に洗い直す絶好のチャンスとなったようです。
これは推測ですが、取引上の不正疑惑事件が発生しなかったならば、国交省の指導に従い新たな書類が増えるだけに終わったのではないかと思います。
新しいものを付け加える前に、必ず何を廃棄(廃止)するかを決める習慣をもつことが会社組織には必要なことです。そうしなければ無駄な作業が増え組織が肥満化してしまいます。廃棄すべきものを考える仕事は、時間の無駄に思え人気のある仕事ではないため、ついつい蔑ろにされてしまいます。その結果、気づいたときには無駄な作業ばかりが社内に残っていたという状態になりかねません。
これも過去の経験ですが、経理処理をPCの会計ソフトでやっているのに振替伝票と各種帳簿とを別途手書きしている会社がありました。思わず「何でそんな二度手間をしとるン?」と尋ねてしまいましたが、経理事務員さんは「上司が振替伝票も各種帳票も廃止して良いとは言わないンです」と言われていました。この会社が、これらの帳票を直ちに廃止したことは言うまでもありません。上司は「指示しなくても廃止するダロウ」と考え、部下は「上司が廃止の指示をしないから止めてはいけないのダロウ」と考えていた訳です。PCが発達・普及した現在では、事務・帳票や社内の役割分担を体系的・計画的に洗い直すことが必要です。
こうすることが組織の無駄取りとなりコスト削減に結びつく訳です。

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