2011年12月17日土曜日

PFドラッカー365の金言より 126

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組織内の活動をどのように位置づけるか。すべて貢献によって位置づけなければならない。
組織内の活動は、その貢献の種類によって4つに分類できる。
①成果活動:組織全体の成果に直接あるいは間接にかかわりをもつ「測定可能な成果」を生む活動
②支援活動:成果活動と同じように必要不可欠ではあるが、自らは成果を生むことが無く、自ら生み出すものが他の組織単位によって利用されて、初めて成果を生む活動
③家事活動:組織全体の成果とは間接的にもかかわりの無い付随活動
④トップの活動
である。

(コメント)
先生の教えで特徴的なことは④が独立していることです。
私は給与体系再構築や組織構造の再構築を依頼されたときに、全員に「マイタスク表」を記入してもらいます。お茶汲みやコピー取りまで含めて、各従業員さんがやっている作業や仕事の全てを書き出してもらい、それに自己判断で難易度をつけてもらいます。これを通じて、各従業員さんの仕事に対する意識調査を行い、これを組織の「役割と責任」の分担表に纏めます。これは主に現行の①~③を理解するために行うものですが、ついでに④も記入してもらいます。
これをすると面白い結果が毎回出てきます。
PFドラッカー先生の言われる上記①を漏らしているケースは稀ですが、②~④は漏れていることが多いのです。この場合は「〇×△という会社に必要不可欠な仕事は誰がしとルン?」と訊いていきます。今時、こんな仕事(作業)を従業員さんにさせているの?というものも見つかります。トップが知らない仕事(作業)を従業員は過去からの引き継ぎ事項として行っていることあります。
特に④「トップの活動」となると顕著に面白い結果がでます。酷いときには「マイタスク表」さえ記入できない取締役や社長さんがいらっしゃいます。社長や取締役は会社の方針を立案することもなく、③の社交辞令ばかり精力的にやっている会社もあります。マイタスクとは「自らが果たすべき役割と責任」なのです。これが列記できないようでは、カイゼンなど出来る訳がなく日々漫然と過ごしているに過ぎないことになります。自らの役割と責任は何か? 自らが属する組織(部署)の役割と責任は何か?を意識していないと、これだけ変化の激しい時代に企業として適切に変化に適応できなくなってしまいます。
先生の4つの分類がよく理解できない方は、敢えて極論して
①営業活動
②生産活動・購買活動・研究開発活動
③総務活動(経理・財務を含む)
④トップを含めた経営陣の活動
と理解されてはいかがでしょうか?
ブレイクスルー思考法に面白い事例があります。
あるタイル・メーカーさんが在庫品をダンボールに入れて保管するために強固なダンボール箱を作ろうとしていました。結論から言えば、在庫がない状態で営業できれば強固なダンボール箱も不要なのだから、強固なダンボール箱をつくろうと努力するよりも製造と販売がジャストインタイムとなる営業生産体制を構築することが必要なのです。この結果、このタイル・メーカーさんは不要となった倉庫を売却し、また在庫として寝ていた資金も有効活用できるようになりました。ただし、地震等に備えたリスク管理が必要なことは言うまでもないことですが・・・。

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