2011年12月5日月曜日

PFドラッカー365の金言より 114

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目標と自己管理によるマネジメントの利点は、自らの仕事を会社に貢献できるよう自ら管理することにある。それは、「支配」を「自己管理」に代える。

(コメント)
目標管理制度を唱えられたのはPFドラッカー先生ですが、それが日本では誤って使われている場合が多いようです。一番の誤りは「目標=ノルマ」の考え方です。この「目標=ノルマ」考えは、目標とは「上から与えられたもの」という考え方を基にしています。これでは目標が自己管理するための手段として使われることはありません。
目標管理制度は、自立した従業員さんが前提となっています。自立できていない保育園に通う子供に自己管理をさせようとしても無理なように、まず従業員さん達を社会人として自立させる教育訓練をすることが必要です。社会人として自立できるまでは、指示・命令によって社会的規範「社会人としての会社流考え方」を教えることが大切です。一昔前までは、家庭と学校で社会人として自立する事前訓練をある程度は行っていましたが、偏差値主義が普及し共同体意識よりも個人の自由が謳歌される時代となった現在では、この訓練を家庭でも学校でも受けていない社会人(個人の権利を主張する訓練は受けている)が増えています。
そこで、会社は目標管理制度を適用する前に、「社会人として自立」しているか否かをテストし、そうでなければ教育・訓練することが必要となっています。
昔は、聡い子供の褒め言葉として「末は博士か大臣か」等という言葉がありましたが、博士は世間知らずで、大臣は権力闘争に明け暮れ一般人の生活実態を知らないことが多い時代となりました。「聡い」ということと「智慧」があるということは違います。会社が上手くいくためには「智慧」のある自立した従業員さんが大切であることは言うまでもないことだと思います。そう言った従業員さんを育てた上で目標管理制度を導入しなければ、この制度はノルマと捉えられてしまい、うまく機能しません。
また、目標というと得てして売上目標などの定量的目標を想定したり、客観的評価ができるように定量化しようとしますが、場合によっては話し合いを重んじて定性的目標でも良いと考えます(その為には会社組織の価値観を明確化することで公平性を確保することが大切)。
目標とは自己管理によるマネジメントの手段にすぎません。うまく行っている会社で目標のない会社は沢山あります。マネジャーが方向性を上手くリードしながら、自立した従業員さん達が自己管理して会社に貢献していれば会社は上手くいくのです。
ここで重要なことは「相互のコミュニケーション」ではないでしょうか? コミュニケーションが上手く取れていない会社が目標管理制度を導入しても良くなる筈がないことは言うまでもないことだと思います。

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