2011年12月14日水曜日

PFドラッカー365の金言より 123

<< 本文 >>・・・・一昨日と昨日の続きとしてお読みください。
分権制によって、組織はいくつかの自立的な部門に分割できる。それらの部門は、
①それぞれが成果と全体への貢献に責任を持つ。
②仕事やスキルの虜となることなく、行っていることの意味を知り、全体の仕事に指向せることができる。
③目標と自己管理によるマネジメントを有効に働かすことができる。
④部下の数はもはや管理の限界によって制約されることがなくなる。責任の限界によって制約されるにすぎなくなる。
分権制の最大の強みは人材開発にある。

(コメント)
私は先生の言われる分権制を狭義の事業部制としてではなく、権限移譲の一つの形態として捉えています。
先生が言われるのは、権限移譲を積極的に行い、自立した小組織を組織内に創り、責任を持たせていけば、
『①成果と全体への貢献に責任を持つようになる』
と言われますが、これには仕組みが必要となると考えています。仕組みを上手く創り上げないと、自己完結的で自分達の目標しか追及しない小組織が組織の中に出来上がってしまいます。その為、全体組織の目的と価値観の統一を図る必要があり、またそのためには報酬と賞罰を明確(信賞必罰を明確)にすることが大切ではないかと思っています(実務経験で思うこと)。任せっ放しで放任していると、全体に対する意識は薄れてしまう傾向があります。「責任ある自由」と「放任」とは違います。
②③に関しても同様です。小組織の仕事ではなく、全体組織の仕事を指向させるためには教育訓練が必要です。
④に関して、組織論では一人のリーダーが管理できる最適人数を経験則から7~8人としていますが、分権制を採用すると「ねずみ講」的に管理できる人数を増やすことができます(トップは各小組織のリーダーを管理すれば良いだけとなる)。そして、特に日本人は狩猟民族系ではなく農耕民族系の人が多いですから、個人ではなく必ず2人以上の小集団でリーダーを決めて分権化し、小集団単位で評価することを私はお勧めしています。このように考えていくと、京セラ(稲盛さま)のアメーバー型組織に行き着きます。
いずれにしても、先生は①責任を権限を若い時から与えることで自立させることと、②全体への貢献を考えさせることを通じて、人材育成(開発)できることが分権制の一番のメリットだと教えられています。
「うちには人財がいない」と嘆いていらっしゃる方は振り返ってみてください。権限を独り占めしていませんか? 若い時から権限を持たせてやらせてみる。少々の失敗をしなければ、人間は本当の成長はしません。上司がやることを側で見ていても成長することは稀(所詮は他人事)です。失敗を通じて人間は自ら成長していくものだと思います。このようにして人財を育成していくことが大切なのではないでしょうか?

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