2011年12月11日日曜日

PFドラッカー365の金言より 120

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組織は道具である。組織は専門化することによって自らの目的遂行能力を高める。
組織は一つの目的に集中するが故に成果をあげる。
社会やコミュニティや家族では発生する問題を全て扱うが、近代組織においては複数の問題を扱うことは多様化である。多様化とは分散である。多様化は、組織として成果をあげる能力を破壊する。しかも、組織はそれぞれの専門をもつ専門家から成る。
従って、組織としての目的は際立って明確でなければならない。さもなければ混乱する。みなが共通の目的ではなく、それぞれの専門分野の論理に従って動くようになる。それぞれの成果を追及し、それぞれの価値観を貫こうとする。
かくして、明確で焦点の定まった共通の目的だけが、組織としての一体感を保ち、成果をあげさせる。

(コメント)
会社には色々な部署があり、色々な人がそれぞれの目的と価値観に従い仕事をしています。そして現代社会は、それぞれに専門知識が必要とされる程度に細分化されましたので、それぞれが独自に専門化する傾向が強くなっています。そのため、会社全体の目的と価値観が曖昧であれば会社組織は混乱し始め、それぞれが最善を尽くしたとしても力の分散が発生するだけで努力に見合う成果は得られなくなってしまいます。
その為、競争が激化した現代では「会社の目的と価値観」(戦略と企業理念・信条)を従業員に明確にして組織を統一し、力を集結させることが必要と言われています。
しかし、日常業務として企業の相談を承っていると、中堅・中小・零細企業と企業規模が小さくなるに従って目的と価値観が多様化したままの状態となり問題が発生しているようです。
企業は成長し続けることで維持・存続できる時代です。現状維持は退化を意味します。
その為、ワンランク上の事業規模を手本にして、「目的と価値観」を出来る限り明確にして会社の従業員が持つパワーを集結させなければ組織本来の役割を果たすことができない状態となってしまいます。
「1人+1人2人」では組織は道具として活用されていません。組織が道具として意味あるものとするためには「1人+1人3人」となることが必要です。そのためには「力を集結する」ことが必要です。これが昔から組織論で「組織にはテコの原理が必要」と言われる所以です。
しかし、中堅以下の企業でよく見かける状態が「1人+1人2人」の状態です。皆がバラバラな方向にベクトルを進めると、ベクトル同士が力を半減し合ってしまい、個々は最大努力をしているのに全体は大きく進まない状態になってしまいます。組織として一番警戒すべきは「力の分散」です。

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