2011年12月18日日曜日

PFドラッカー365の金言より 127

PFドラッカー先生の格言
     「無人の山中で木が倒れたときに、音はするか?」

<< 本文 >>
コミュニケーションを成立させるものは受け手である。聞く者がいなければコミュニケーションは成立しない。無意味な音波しかない。コミュニケーションについては、4つのことが言える。
①人は知覚できるものしか知覚しない。コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければならない。受け手の経験にもとづいた言葉を使わなければならない。
②人は期待しているものだけを知覚する。期待しているものを見て、期待しているものを聞く、期待していないものは受けつけない。
③コミュニケーションは、受け手に何かになること、何かをすること、何かを信じることを要求する。従ってコミュニケーションとは要求であり、単なる情報の伝達とは異なる。また、その為、コミュニケーションは、それが受け手の価値観、欲求、目的に合致しないとき、全く受けつけられないか抵抗される。
④一方、情報は形式であり、記号であり、論理の対象である。受け手が記号の意味を知らなければ、情報は使われるどころか受け取られることもない。情報が受け取られるには、送り手と受け手の間に、あらかじめ何らかの了解、すなわちコミュニケーションが存在しなければならない。

(コメント)
会社組織を動かすときに重要なコミュニケーションに関する先生の教えです。要するに、子供に話しかけるときには子供に解る言葉を使わなければコミュニケーションは成立しないということです。子供に、法律で使うような言葉や大学で学ぶような言葉を使って話しかけても、子供は理解してくれません(雑音として聞きます)。
そして、最も重要なのは④「情報が受け取られるためには予めコミュニケーションが存在しなければならない」という箇所です。実務で色々なご経営相談を承っていて最も多いのは、「指示・命令しても部下が思うように動いてくれない」という悩みです。この問題の真因は普段のコミュニケーション不足にある場合がほとんどです。そして、この問題が解決しないとどんな会社組織の改革も上手くいくことはありません。
ただし、メールではコミュニケーションはできないと理解した方が良いです。メールの情報の伝達に過ぎず、やはり「会う」ことによって初めてコミュニケーションは成立します。電話やFAXでは不十分です。電話はメールよりはマシですが、予め人間関係が出来上がっている人には有効ですが、面識の無い人には充分な効果をもたらさず、コミュニケーションではなく情報の伝達で終わります。
会社組織は「ヒト」が動かす訳ですから、コミュニケーションが命となります。どんなに沢山の「お金」や優秀な「モノ(設備など)」があっても、コミュニケーション不足で部下がそれらを充分に使いこなさなければ、沢山の「お金」や優秀な「モノ」はアッという間に無くなってしまいます。

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