2011年12月10日土曜日

PFドラッカー365の金言より 119

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平等とは、往々にして誤解されているような「結果の平等」ではない。逆に、それは必然的に結果の不平等を招く。正義のコンセプトは、報酬には、同等でない仕事ぶり反映した差のあるべきことを要求する。

(コメント)
企業・組織において必要とされるものは、「平等性」ではなく「公平性」です。「役割と責任」と「その結果」の大小の差に応じて、報酬には格差があることが必要です。
また、特に事業再生の際には、経営資源の使い方を偏ったものにして現状を打破できる対策を講じる必要があります。従来の価値基準に従って公平に経営資源を配分していると危機的状況を打破することはできません。
市場経済を前提とする企業社会で必要なのは「平等性」ではなく「公平性」です。この考え方をしなければ、単純な定型業務をする人も社長も同じ報酬になってしまいます。
しかし、ここで大切になるのは、格差のつけ方の妥当性です。会社の現状を踏まえて妥当な格差でなければ公平性が保たれなくなってしまいます。そのため、「役割と責任」の洗い直しと「給与体系」の再検討は最低でも5~6年毎にすることが必要になると思います。
ただし、報酬が多いからといって、その人を「認めたる」ことにはならない点に注意してください。人間は「認めてもらうこと」でやる気が出てきます。そして「認める」こととは必ずしも報酬だけではありません。「仕事の報酬は仕事」と言われるように、「ある仕事で認められたら、次に難しい仕事が与えられることで認められる仕組みづくりをする」ことが会社が成長し続けるためには必要なのではないでしょうか? そして、ここでもコミュニケーションが命となってきます。
日本には昔しから「若きものには権限を与え、年老いたものには禄(報酬)を与えよ」という格言があることには留意してください。特にこの格言では、「責任」ではなく「権限」となっている点に・・・・・。

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