2011年12月7日水曜日

PFドラッカー365の金言より 116

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上司と部下の相互理解は、下(上司から部下)へのコミュニケーションによって得られものではないし、下に向けて話すことによって得られるものでもない。それは上(部下から上司)へのコミュニケーションによって得られる。上司の耳を傾ける姿勢と、部下の声が伝わる仕組みを必要とする。
重要なのは目標である。
例えば、部下から上司への「マネジメント・レター」なるものを年2回書かせている組織がある。
そのマネジメント・レターには、
①部下が考える上司が目標とすべきもの
②自ら(=部下)が目標とすべきもの
③自らが期待されていると思う水準
④自らが目標を達成するために行うべきこと
⑤障害となっていること
⑥組織と上司が行っていることのうち、自らの助けになっていること
⑦組織と上司が行っていることのうち、自らの妨げになっていること
⑧自らの目標を達成するために、次の1年間に行うべきこと
が記入されている。この手紙が上司に受け入れられたとき、憲章となる。

(コメント)
コミュニケーションを通じた相互理解が重要なことであることに異議のある人はいないと考えます。
しかし、コミュニケーションを「通わせる」ためには、上司が傾聴することが特に大切です。得てして、上司が話しをして、部下が傾聴する傾向となるためです。
これを防ぐためには、上司は部下に「問いかけ」をして部下が自分の考えを話せるようにする工夫が必要となります。
上司の考えが部下に否定されても、それにより上司が屈辱された訳ではないのですから、部下の貴重な部下の意見として上司は傾聴し参考にすれば良いのですが、中々それをするのは難しいことがあります。
根回し、飲ミニケーション等々色々な手段による工夫が必要です。そして、相互理解はメールでは難しく、やはり顔と顔を向い合せて実際に対話することが必要です。上記本文にあるマネジメント・レターにしても、書面を上司が受け取り読むだけでは効果が少なく、やはりその書面を基に面談することが大切です。
人事考課制度が上手く機能しない会社は、このあたりに原因があるのではないでしょうか? 年に1度位はマネジメント・レターと面談を実施し、部下にとって現状の上司がどのような存在であるのかを理解されてはいかがでしょうか? これによって、上司が「良かれ」と思ってやっていることで部下にとっては「余計なお節介」となっているムダを取り除くことが大切だと思います。

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