2011年12月30日金曜日

PFドラッカー365の金言より 139

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再設計や修正なしに、長期にわたって成果をあげる活動はあり得ない。あらゆる活動が陳腐化する。
あらゆる組織が変化しなければならない。
企業には市場(売上)と収益性(利益)という規律と尺度があるが、企業以外の組織においてもそれぞれの尺度を必要とする。

(コメント)
尊大な目的を掲げてモノゴトを始めても、その初心を長期間にわたり変わることなく持ち続けることは不可能に近く、またモノゴトを始めても当初の思惑どおりにモノゴトが進展することは少いようです。その為、目的を達成する為には目標や計画の修正や変更が必要となります。
また、環境に適応するためには組織は変化していくことが必要です(変化適応業)。
環境変化に適応し、目的を変えることなく目標や計画を修正または変更するタイミングを決めるときには、組織活動を評価するための尺度が必要となります。民間企業では売上と利益という尺度がありますが、政府やNPOにはありません。また民間企業でも大組織となると、その中の小さな組織(課や係)には尺度が不明確になってしまいます。たとえば、会社の総務部に属する人達は会社の売上と利益が自分達の行動成果の尺度であると認識しているでしょうか?
色々な会社から色々なご相談を承って感じることは、会社の成長が鈍っている場合は会社の中で価値尺度が入り乱れている場合が多いようです。そのため、元気な会社になってもらうために、私は会社なりの価値尺度を統一することを常に意識して問題・課題の解決を図るようにしています。
PFドラッカー先生は特にNPO(非営利法人)において「尺度」が必要であると説かれています。
最近、私が相談にのったNPOの理事さんの案件もそれに類するものでした。その理事さんは、類似するNPOと比較して会費が日本一高いので、その会費を他の類似NPO並みにしようと経費節減を図られているようでしたが、その人から聴いた限りでは理事の中に名誉職と理解し何もしようとしない人達、貰えるモノなら何でも貰おうとする人達、単なる仲良しグループと意識している人達等々色々な人の色々な思いが入り混じっていることがわかりました。そのため理事会を開いても無難なことしか議決せず、難あるものは全て先送りされて、結局は立ち往生するか、独断で断行せざるを得ない状況に業を煮やされたうえでのご相談でした。その為、私からNPOの目的を再度確認すること、行動の成果を図る尺度を決めることをお勧めしました。
NPOに限らず民間企業においても、総務部、研究開発部などの間接部門では「目的」と「行動成果の尺度」が不明確な場合が多いようです。環境は刻々と変化し組織はその変化に対応していかざるを得ませんから、目的と尺度を予め明確にすることで、それらを変更せざるを得ないタイミングを逸しないようにしなければなりません(将来は修正・変更が必要になるから予め明示する)。
パナソニックさんも松下幸之助さまが始められた事業部制という組織制度を明確にされていたからこそ弊害を顕著に認識することができ、中村元社長が松下幸之助さまの会社理念に反しないように組織変更を行うことで見事に再生させられました。

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