2011年9月7日水曜日

PFドッラカー365の金言より 25

予期せぬ失敗を部下の能力や事故のせいにせず、システムの欠陥の兆候と見る。
予期せぬ成功を自らの手柄とせず、自らの前提に変化が生じていると見る。
われわれは、奇跡を起こす人に頼って陳腐化した事業の見直しを行うことはできない。
進行性の病は先延ばしにしても治らない。思い切った措置が必要である。

(コメント)
絶対に上手くいくと予測していたことが上手くいかなかったときは、部下の能力不足や偶然(タマタマ)が理由で失敗したと考えるのではなく、従来のやり方・仕組み・考え方がいまの環境(顧客)に合わなくなり始めている兆候ではないかと考えてみることが必要です。
同様に、偶然に上手くいったときには、ラッキーだったと済ませるのではなく、自らの経験と過去の慣習・常識で当然としていたことに変化が生じ始めたのではないかと考えることが必要です。
カメラ屋さんは従来通りのフ銀ィルム・カメラを売り続けようと努力して、気がついたら携帯電話やデジタル・カメラに市場を奪われ、世の中から消滅しつつあります。営業マンの能力不足やカメラ品質が劣っていたから売れなくなったのではありません。カメラ屋さんが、銀フィルム・カメラを売ること、撮った写真を現像して写真にすることに専念せずに、自らの事業を「顧客が思い出を記録するお手伝いをすること」と定義すれば、カメラ屋さんは写真屋さんとなり、写真屋さんは写真館へと変貌していったことでしょう。私の近所に昔しはコピー機とアップル社のコンピューターを売っていた会社がありますが、今はその会社はコピー屋さん&印刷屋さんに変貌しています。また更に、昔しから電話交換機の敷設工事をやっていた会社は、今は携帯電話を活用したコンピューターの社内ラン工事を中心にビジネスを展開しています。
かといって、携帯電話もデジタル・カメラも奇跡を起こす人がいたから急成長した訳ではありません。顧客や環境の変化を考え、「何のために顧客が自社の製品を購入して〇〇〇するのか?」とその目的を考えてみることが必要です。
経験や知識は年とともに量が増えていきますが、反面において「硬直化」していきます。一方、環境(消費者)はドンドンと「進化」し続けて行きます。
「硬直化」傾向にある経験や知識が、「進化」を続ける環境(消費者)に適応し続けるためには、いずれかの段階で事業の定義やビジネスモデルの洗い直し(大手術)が必要となります。

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