2011年9月1日木曜日

PFドラッカー365の金言より 19

世界中において、ほとんどの企業が同族企業である。
ところがマネジメントについての文献と講座のほとんどが。プロの経営者が経営する企業だけを扱っており、同族企業について触れることはほとんどない。
研究開発、マーケティング、会計などの仕事に関して、同族会社とプロが経営する会社とで違いがある訳ではない。しかし、経営陣に関しては、同族会社にはいくつかの守るべき重要な留意事項がある。それらを守ることなくしては、繁栄するどころか生き残ることさえもできない。
①同族企業は、一族以外の者と比べて同等の能力を持ち、少なくとも同等以上に勤勉に働く者で無い限り、一族の者を働かせてはならない。
②経営幹部(トップマネジメント)のポストの一つには、必ず一族以外の者を充てなければならない。
③同族企業は、重要な地位に一族以外の者を充てることをためらってはならない。
④トップの継承問題について適切な仲裁人を予め一族以外に見つけておかなければならない。

(コメント)
株式上場により株式が分散して保有され、所有と経営の分離がなされオーナーの意向ではなく経営者の意向が経営に反映されている企業数は極めて少ないものです。企業数(従業員数ではない)で言えば、PFドラッカーが言うように、世の中のほとんどの企業が同族会社であることに間違いはありません。
しかも、一昔前までは上場することが「善」の如く語られていましたが、昨今ではワールドやスカイラーク他で見られるように上場会社の弊害が指摘され上場廃止をする企業が増える傾向にあります。
しかし、上場廃止してオーナー型経営を行う場合にはドラッカーのいう留意点には注意することが必要です。
ましてや、オーナー型の地方の中小企業が大会社の真似をしたり、書籍に書いてある理論・手法をそのまま実行したとしても、上手くいかなくて当たり前です。
コンサルティングをしていて最後の障壁となるのは必ずと言って良い程、オーナー親族間のトラブル(意見の対立)です。このトラブルを避けてしまうコンサルタントもいますが、オーナー型企業ではこの問題を避けていては問題解決は図れないのが実情であり、この問題が発生するのを未然に防ぐためには、上記留意点4点を守るしかないのだと思います。一族の間では「人間関係を元にした甘えと非合理性」が存在し、それが社会(顧客や従業員)に対する責任を全うする弊害をもたらしている場合が多いようです。

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