2011年9月14日水曜日

PFドラッカー365の金言より 32

水がコップに「半分入っている」のと、「半分空である」のとでは、量的に同じである。だが、意味は異なる。とるべき行動も異なる。世の中の認識が、「半分入っている」から「半分空である」に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる。
「予期せぬ成功」や「予期せぬ失敗」は、消費者側の認識の変化によるものであることが多い。認識の変化が生じても、事実は変わらない。起こるのは意味の変化である。
自分の会社に影響を与えそうな「認識の変化」を考えてください。その変化を利用することを検討してください。

(コメント)
「水がコップに半分入っている」とは、「コップには水がまだ半分残っている(から大丈夫だ)」と思うことです。
「コップの水が半分空である」とは、「もう既に、コップには水が半分しか残っていない(から、急いで〇〇〇をしなければならない)」と考えることです。
この考え方の違いによって、その人の次にとる行動に違いが生じます。
目覚まし時計がならないのに眼が覚めてしまった。「いつも起きる時間までにはまだ30分もあるから、もう一度寝よう」と考えるか、「あと30分後には起きなければならない時間となる。寝過ごしてはいけないから、このまま起きておき新聞でも読もうか」と考えるか? 遅刻常習犯と時間を守る人の考え方の違いです。
トヨタやホンダが初めてハイブリッドカーを発売したときは、自然環境に優しい車として売り出されましたが、価格が高くて、しかもバッテリーの寿命が短いので、一般消費者に余り評判の良いものではありませんでした。しかし、ガソリン価格の高騰や東北大震災を境として消費者の認識は大きく変わったようです。いまでは予約して納車されるまでに半年から1年間待たなければならない状態となっています。
先日、発電機メーカーの人とお話しをした処、昨年までは赤字状態でリストラを繰り返していたのに、東北大震災以後は毎日大変に忙しく休む暇がない状態だと言われていました。大型建築物(ホテル、病院、学校、ショッソピングセンター、マンション他)の建設に対する認識が大きく変化し、安全確保のために建物に自家発電機能をもたせようとする傾向が極端に強くなっているようです。
「変化」に気づき、その「変化」の持つ意味を考え、自らのビジネスに活用していくことが大切です。そのときに、自らの固定概念や無意識の潜在意識に拘束されないことが必要です。
そのためには、「予期しなかった成功」と「予期しなかった失敗」に注意することが大切です。

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