2011年9月20日火曜日

PFドラッカー365の金言より 38

価格設定の唯一健全な方法は、市場(顧客)が支払ってくれる価格からスタートし、その価格に合わせて製品を設計することである。価格を出発点としてコストを削り込んでいくことは、当初かなりの苦労を要する。だが、スタートを誤り、何年も損失を続けるよりはいい。

(コメント)
「製造原価(仕入原価)が〇〇円だから、その製造原価(仕入原価)に諸経費と利益を上乗せすると販売価格は△△△円となる」とツイツイ考えがちですが、PFドラッカー先生は「顧客が望む価格は□□□円だから、製造原価(仕入原価)は〇〇円に留め、利益を出すだめには諸経費は××円以内にしなければならない」と考えなさいと教えてくれています。要するに、生産者思考ではなく市場思考(顧客思考)の発想を持ちなさいと言われています。
例えば、パソコン!! 最新機能を満載した最新モデルには顧客にとって不要な機能が沢山ついています。結局、その不要な機能のために、パソコン操作を難しいものにしてしまい、パソコンを使い難いものにしてしまっている場合が多いと思いませんか? この盲点を突いたのがデル社です。顧客が必要とする機能だけを選択できるようにして、かつ実店舗販売は行わないことで流通コストを削減しています。今後、クラウドが発達すると、この考え方は今までよりももっと実用的なものになっていくと思います。自家用車にしても、この機能もあれば便利と考えるのが生産者ですが、消費者からすると「そんな機能は無くても良いから、価格を安くしてもらいたい」というのが本心ではないでしょうか?
軽自動車メーカー(スズキ)の鈴木社長は、インドのある部品メーカーに行ったとき「入口にある噴水を維持するための費用分だけ部品価格を安くしてくれ!!」と頼んだそうです。
結局、生産者(特に設計者)は「他社との差別化」を余りに意識し過ぎて、市場(顧客)思考の価格設定から逸脱して生産者思考に陥っている場合がよくありますので注意が必要です。

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