2011年11月26日土曜日

PFドラッカー365の金言より 105

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大組織といえども万能ではない。それは敏捷(ビンショウ)さではなく、大きさによって成果をあげる。一人や少人数では不可能な能力を動員する。だが、規模は制約でもある。
象しノミと違って、身長の何倍も跳び上がることはできない。
何故なら
①組織は一時にわずかの仕事にしか取り組めない。組織構造やコミュニケーションの工夫ではどうにもならない。組織では集中力が鍵である。
②しかも、組織は変化しなければならない。変化とイノベーションの主導権をとらなければならない。そのためには、人財という稀少で費用のかかる資源を成果のあがらない分野から、成果と貢献の機会のある分野へと移す必要がある。資源の浪費は許されない。

(コメント)
日本には昔から「寄らば大樹の陰」という考え方があります。しかし、バブルが弾けてからは、その大樹と考えられていたものが、いとも簡単に消滅してしまう時代となりました。俗にいう組織の恐竜病です。
反対に「風にゆれる柳や竹の如く」という考え方もあります。変化に対応しながら、右や左に揺れ、それでいて芯は通され守られている状態です。
色々な企業から経営相談を承っていて、共通して言えることは、規模の大小に関係なく、中小企業でさえも、何かに拘ってしまっている結果(考え方のボトルネック)として、俊敏・機敏に環境の変化に対応できなくなっている場合が多いようです。そのときに必要なことは、その拘り(ボトルネック)を最大限活用することを考え、どうしても無理であれば「拘り」を無くしてしまうことではないでしょうか?
天下のJALはみごとに事業再生の成功の途を歩み始めたようです。このとき、経営の天才と言われ高齢の稲盛氏がとられた戦略は、経営陣と従業員の意識変革がベースになっています。世界の大企業であるJALのもつ「拘り」を捨てさせ、無駄なものは思い切って切り捨てることで、変化に対応できる新しい組織づくりをされた印象を私は持っています。それも出来る限り強制することは避け、コーチング的に自らに気付かせる手法のような気がします。その結果、いまではライバルのANAが窮地に追い込まれつつあるような態が見受けられます。

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