2011年11月16日水曜日

PFドラッカー365の金言より 95

<< 本文 >>
優れた外科医が不要な手術を行わないように、不要な意思決定を行ってはならない。
大昔から外科医は手術を行ってきたが、リスクの無い手術はない。外科医には3つの途がある。
①自然に治る見込み、あるいは安定する見込みがあるものであれば、定期的にチェックすれば良い。
②進行性の病であって、手術しなければ生命の危険があるのであれば手術を行う。
③最も多いケースのが、進行性でもなければ生命に支障もないが、自然に治る訳でもないということである。ここでは機会とリスクを比較考量する。
一流の外科医と並みの外科医の差が表れるのが、このときである。

(コメント)
他界した父が70歳を超えた頃のことですが、太平洋戦争のときに負傷したことが原因で加齢に伴い歩けなくなってしまいました。他の病気もあったので入院させましたが、医師から「足は手術されますか? 手術すれば歩けるようになる可能性はあります。しかし機能的に歩ける足になっても、そのリハビリ期間中に体力が減退して精神的に歩く気力が無くなってしまう可能性もあります」と選択を迫られました。これこそ機会とリスクがあることを教えてくれたのだと思います。このときには兄弟と母とで相談をして、手術はしないことを選択しました。
一方、私の末娘の様態が急変し緊急入院して調べた結果、医師から「今回の手術の成功確率は30%程度しかありません。しかし、手術しなければ娘さんは後もって1カ月程度でしょう。手術されますか? 」と医師が説明責任を履行するときに訊ねられました。このときは、妻に相談することもなく、直ぐに手術してくださいと依頼しました。
そして、色々な企業の問題や課題解決のご相談に応じていると、一番多いのは先生の言われる③のケースです。このときには、機会とリスクを考え、優先順位を決めて順番に問題や課題を解決していくか、悪化を防止してその後の状態を定点観測するかを選択してます。
ただし、その過程で企業自らは自覚していない病に陥っていることが発覚することも多々あります。
人間が創り出し、環境に適応しながら生き延びている企業組織って、面白いものですネ!! これが絶対に正解だということが無い訳ですから・・・・・!! ただし、他社がやって上手く行ったかといって自社でも上手くいく保証はないことだけは事実のようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿