2011年11月14日月曜日

PFドラッカー365の金言より 93

(コメント)
私が好きな一節です。特に、中段のスローンのやり方は意識しています。

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意思決定の原則とは、意見の対立が無いときには決定を行わないことである。意思決定においては、意見の対立がなければならない。
マネジメント上の意思決定は、全会一致によって行えるようなものではない。対立する見解が衝突し、異なる視点が対話し、いくつかの判断からの選択があって、はじめて行うことができる。
GMのスローンは、「では全員の意見が一致していると考えて良いか?」と聴き、異論が出ないときには、「では、意見の対立を生み出し、問題の意味について理解を深めるための時間が必要と思われるので、次回また検討することにしたい」と言った。
意見の対立を促すのには三つの理由がある。
①組織の囚人になることを防ぐことである。必ず誰かが何かを求めている。
②代案を手に入れることである。いかに熟慮しようとも、代案なしでは決定は賭け(バクチ)に終わる。
③想像力を引き出すことである。

(コメント)
色々な会社で取締役会や会議にオブザーバー出席していて、このことは痛感します。争いを避け早く会を終了するために審議不十分で結論を出してしまうのです。全会一致を「善」とする風潮が各社にあります。異論を唱え議題を次回に持ち越しても良いと思う状態のときもあります。
ここで大切なことは、「議論をどれだけしたか」ではなく、「異論・反対を唱える人がいるか、いないか」ではないかと思います。どうでも良いことと思っている人からは異論も意見も出ません。従って、重要な決定でも、意見や異論が出ないということは、本当は参加者がその問題を正しく理解していないことを意味するからです。
30年、40年という長い異なる人生経験を持つ人達が集まり、しかもそれぞれが分担する仕事内容と責任が異なる人達が集まっているのに、一つの問題を全員が同じ視点から見て考えているということはありえないことではないでしょうか?

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